ITで新しい事業やサービスを生み出すことを期待されている(と考えている)。しかし、それができるIT人材は存在せず、組織的な体制もない−−。情報処理推進機構(IPA)が公開した『IT人材白書2015』は、企業の情報システム部門が直面するこんな課題を明らかにした。
では、そのための準備−−人材の育成や採用−−はどうか?調査では「ITとビジネスの融合領域をこなせる人材」を聞いている(図3)。そうした人材が「必要」との回答は42.8%。そのうち「人材を確保できている」「やや確保できている」は6.8%で、59.4%が「確保できていない」という回答だった。先の図2と付き合わせると、新たなサービスや事業に貢献することを期待されていると自認はしているものの、それができる人材はあまりいないという実情が浮かび上がる。
図3:IT融合人材の必要性と確保状況拡大画像表示
一体、なぜそうなのか?IPAは組織の成熟度が不十分ではという仮説のもと、それを調べている。「ビジネスに貢献するIT人材を輩出するには“出る杭は打たれない”“トライアンドエラーを許す”といった風土が醸成されているかどうかが影響する。今回は組織の成熟度モデルに基づき、その実態を調査した」(IT人材白書検討委員会の田中久也委員長=IPA理事 IT人材育成本部長)。
結果が図4。一目瞭然、組織成熟度の寒い実態が明らかになった。「スキル研修体系等の整備」は66.1%が「整備されていない」と回答する。「価値発見の場の整備」「オープンイノベーション環境の整備」なども大同小異である。「経営者のリーダーシップ」や「組織文化・風土の醸成」などは相対的にましだが、「定着・浸透」や「整備されている」といった回答が少数である点は同じである。
図4:新しい価値創出に向けた組織整備状況拡大画像表示
もちろん組織成熟度が高いからといって優れた人材が輩出されるとは限らないし、厳しい環境で何かをやり抜く人材こそが求められるという見方もできる。だがモバイルにせよ、ビッグデータにせよ、あるいはIoT(Internet of Things:モノのインターネット)にせよ、今日のIT活用は「Fail fast(小さな失敗をたくさん繰り返す)」が必要だからだ。
そうである以上、図4の10項目を満遍なく満たすのは難しいにせよ、トライアンドエラー環境を整備する程度のことは必要だろう。クラウドなどを上手く利用すれば、それほど予算や工数をかけなくても新たな試みはできるのだから。
最後にもう一つ、「ユーザー企業に勤務するIT人材の仕事や職場に対する満足度」を示した(図5)。1000人に対し、Webでアンケート調査した結果である。「満足」「どちらかと言えば満足」の合計が50%を超えたのは「休暇の取りやすさ」だけながら、おしなべて満足度は高いことが分かる。
図5:ユーザー企業のIT技術者の仕事や職場への満足度拡大画像表示
だが気になる数字もある。「自分の仕事での今後のキャリアに対する見通し」と「自分のスキルアップやキャリアアップに対する会社の支援制度」が、ほかの項目に比べると極端に低いのだ。CIOやIT部門のマネジャーは留意を払うべきだろう。
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