IT業界に所属、もしくは業務でIT活用に携わっているなら、きょうび「IoT」の言葉を聞かない日はないだろう。この“モノのインターネット革命”に対する、日本企業の取り組みはどのレベルにあるのか。市場調査会社2社が実施したIoT市場動向・企業意識調査に現れた数字からその進捗を確認してみる。
IoTを実践する体制づくりが急務に―ガートナー調査
ガートナー ジャパンは2015年5月、日本企業のIoT(Internet of Things)への取り組みに関する調査結果を発表した。50%を超える企業が「IoTにより自社の製品やサービスが変わる」と回答するも、海外企業に比べると、IoTを実践する体制づくりに遅れが生じているようだ。
半数以上が「自社の製品やサービスそのものが変わる」と回答
ガートナーの調査は、ユーザー、ITベンダー双方を含む国内企業のITリーダー(ITインフラに導入する製品・サービスの選定や企画に関して決済・関与する人)515名を対象に、2015年3月に実施されたものだ。IoTにより、「自社の製品やサービスそのものが変わる」と回答した企業は52.3%と半数を超え、多くの企業がIoTがもたらすインパクトを感じていることが明らかとなった(図1)。
IoTの具体的な推進体制を整備できている企業は全体の1割
次に、IoTについて自社がどのような組織体制を組織して取り組んでいるかを尋ねた。結果は、「企画部門で取りまとめが始まった」と答えた企業が13.2%、「IoTの専門部署やグループができた」と答えた企業が8.5%だった。ここから、IoTに関して具体的な推進体制を整備できている企業は全体の1割程度にとどまることがうかがえる(図2)。
ガートナーによると、今回の調査結果を2014年10月に同様の調査をグローバルで実施した結果と比較した場合、日本企業におけるIoTを実践する体制づくりの遅れが目立つという。自社製品/サービスへの影響があるという回答の割合は、グローバルと日本とでほぼ同じだったが、体制づくりについては、グローバルでは2割の企業がすでにIoTを推進する体制が整っていると回答している。
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