独SAPグループで、出張/経費管理などのクラウドサービスを提供する米Concur Technologiesの日本法人、コンカーは2015年7月27日、企業の管理部門が従業員の海外渡航時のリスクを管理するためのサービスを開始すると発表した。従業員の安全確保を支援する。
新サービス「Risk Messaging」は、世界各地のリスク情報を管理する仕組み。Concurの出張予約ツール「Concur Travel」や、航空券やホテルなどの予約・発券システム「GDS(Global Distribution System)」と連携することで、従業員の出張旅程情報を一元的に管理する。リスク情報としては、デンマークのRISKLINEが提供する全世界を網羅したリスク情報や各国のリスクレベル情報を取り込んでいる。
Risk Messagingを使って管理部門は、海外に渡航している従業員に対し適切なタイミングでリスク情報を提供したり、出張旅程や滞在場所のチェックイン情報に基づき、地図上で従業員の所在を確認したりできる。事故や事件などが発生した際には、避難指示や退避勧告などを速やかに対象者に伝えることで、従業員の安全を確保できるようにする。
日本企業の海外展開に伴い、従業員の渡航先は、発展途上国へと広がっている。それに伴い、現地での自然災害や感染症、事故やテロ、紛争などに遭遇するリスクが高まっている。管理部門にすれば、海外に渡航する従業員に対し、適切なリスク情報の提供や、所在の管理、迅速なコミュニケーションが求められるようになってきている。