米IBMがSoftware Defined Storage(SDD)とフラッシュの開発に力を入れている。2015年2月には、ストレージ用ソフトウェアなどの開発に今後5年間に10億ドル(1240億円、1ドル124円換算)超を投資すると発表している。IBMはストレージに対し、どんな利用場面を描き、どんな仕組みを提供しようとしているのか。米本社でStorage & Software Defined Systems & Technology GroupのGeneral Manageを務めるJamie Thomas(ジェイミー・トーマス)氏に聞いた。(聞き手は志度 昌宏=IT Leaders編集部)
──ストレージ分野で5年間に10億ドル以上を投資すると決めた。今、なぜストレージ分野の強化が必要なのか。
企業の経営スタイルが、データ駆動型、すなわち、ビッグデータの分析から得られた洞察によって行動するように変化してきているからだ。そのためストレージ環境は、より柔軟であり、かつデータのライフサイクル全般を管理できるように変わらなければならない。それを実現するための投資である。
米IBMのStorage & Software Defined Systems & Technology Group担当General ManageであるJamie Thomas(ジェイミー・トーマス)氏近年、ビジネスの近代化に向けて当社が「CAMS(Cloud、Analytics、Mobile、Social)に注力しているのはご存じのはずだ。これらは、ビッグデータ分析による洞察を得るための手段である。そして大量データの保管・分析に向けた新しいITインフラとしてクラウドが存在する。
オンプレミスの既存環境と、新しいITインフラであるクラウドの双方に対し、上述した柔軟性と管理性を実現するには、Software Definedにならざるを得ない。こうした認識の下、2014年にストレージ戦略を刷新し、Software Defined Storageとフラッシュストレージの両分野に注力することを決めた。それぞれでマーケットリーダーを目指す。
──Software Definedにすることでストレージ環境はどう変わるのか。
CAMSによって生まれる新しいアプリケーションは、Systems of Engagement(SoE)、すなわち顧客との接点を強化したり顧客向け製品/サービスを開発したりするためのものが中心だ。このSoE分野の台頭がストレージ環境にも変化を求めている。すなわち膨大なデータを扱うための経済性と性能である。
このうち経済性に大きく作用するのがSoftware Defined化だ。汎用的なハードウェアを利用することで大量データを安価に扱えるようになるうえ、ハードウェアの寿命に左右されなくもなる。加えて、データ量の変化に応じてストレージ環境をスケールアウトしたり、逆にスケールバックしたりができるようになる。
スケールアウト/スケールバックは、SoEのためのストレージ環境としては重要な機能になる。必要な容量が急増するスパイクが発生することも考えなければならないためだ。
例えば、金融機関における不正分析などでは、ソーシャルデータを組み合わせて分析するが、ソーシャルデータは常に自社で保存しているデータではないため、分析時のみデータが急増することになる。同様のスパイクはSCM(Supply Chain Management)分野でも起こり得る。
●Next:オールフラッシュストレージの必要性
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