レッドハットは2015年11月4日、東京都内で「Red Hat Forum 2015 Tokyo」を開催した。キーノートでは、米国本社のプレジデント兼CEOであるジム・ホワイトハースト氏が「THE FUTURE IS OPEN」と題して講演。テクノロジの変革期におけるOSSの重要性と、レッドハットが果たそうとしている役割について語った。
クラウド、ビッグデータ、モバイル、ソーシャル…。多様なテクノロジーの進化を背景に、新たな競争軸で勝負を挑もうとする企業が続々と登場している。先駆的な取り組みを支えるものとして、存在を高めているのがOSS(オープンソースソフトウェア)だ。OSやミドルウェアなど様々な商用ディストリビューションを提供しているRed Hatのジム・ホワイトハースト氏は、「OSSは選択肢の1つではなく、もはやイノベーションに不可欠な存在」と主張する。そう語る背景、そうした時代に同社が果たす役割とはどのようなものか。「Red Hat Forum 2015 Tokyo」での基調講演の内容を、氏の語りのスタイルで以下に紹介する。
ビジネスとITとの関係性が大きく変わった
5年ほど前のOSSの位置付けといえば、肥大化するIT投資額を抑制するコスト削減手段、あるいはベンダーロックインを避けるための牽制手段というものが中心だった。
米RedHatのプレジデント兼CEOのジム・ホワイトハースト氏そうした状況は大きく変わり、新しいビジネスを創って成長を加速するのに不可欠なのが、OSSであり、オープンイノベーションであるとの考え方が確実に広がってきている。つまり、ITとビジネスの関係の捉え方そのものが変わったということだ。かつてITは、既存のビジネスを効率化することに主眼が置かれていた。もちろん、今でもその役割は担っているが、それ以上に、ビジネス上の競争力を築くのにITが「直接的に」関わることを多くの人々が認知し、そこでのOSSのポテンシャルを理解し始めたと言えるだろう。
インターネット上でのビジネスで躍進するWebスケールの会社、あるいはITを基軸とした斬新なビジネスモデルで既存業界を大きく揺るがしているスタータアップなどは枚挙に暇がない。彼ら彼女らが巻き起こしているイノベーションを支えているのはOSSであり、多くの場合はそうしたプレーヤがOSSを生み出す原動力にもなっている。決して新興企業だけが動いているのではない。フォード、GE、ウォルマート…。既存の大手も自社ビジネスのあり方を見つめ直し、クラウドやモバイル、ビッグデータなどのトレンドを見極めながら、革新を旗印に歩を進めている。
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