米OpenStack Foundationは2016年4月7日、オープソースのクラウドインフラ構築フレームワーク「OpenStack」の13番目のリリースとなる「Mitaka(ミタカ)」を公開した。ソフトウェアのデプロイ、管理、スケールのしやすさに重点を置いた機能強化が図られている。
Mitakaは、2015年10月にリリースされた「Liberty」に続く、OpenStack 13番目のリリースとなる。エンタープライズユーザーやサービスプロバイダー向けに使いやすさやスケーラビリティが強化されている。
クラウドのデプロイ担当者や管理者向けには、コンピュートサービス「Nova」に標準のデフォルト設定を複数追加した。NovaはIaaSクラウドを制御するOpenStackの主要コンポーネントのひとつ。また、マニュアルで選択が必要なオプション数が減少し、設定が容易になった。
認証サービスの「Keystone」やアイデンティティ管理機能のセットアップのためのインストール、稼働、認証、トークンの発行など複数のステップの手順が、1ステップのシンプルな手順に変更された。ネットワークサービスの「Neutron」は、レイヤー3のネットワーキングが改善され、分散型仮想ルーターがサポートされた。
スケーラビリティも強化された。オーケストレーションサービスである「Heat」のコンバージェンス・エンジンは、スケールアウト時により大きな負荷や複雑なアクションに対応できるようになった。トークンに基本情報を暗号化して格納するKeystoneの「Fernetトークン」は、サポートするAPI数が増加した。
統合型のOpenStack Clientは、コンフリクト(競合)が発生しないAPI呼び出しを使用してリソースを作成できる。そのため、エンドユーザーが各サービスのAPIの複雑な部分を学習する必要がなくなった。そのほか、ソフトウェア開発キット(SDK)の多言語サポート、アプリケーション開発者の作業の省力化をサポートする「Get me a network」がNeutronに追加されるなど、ユーザーエクスペリエンスの向上を図っている。
今後、Openstackのエコシステムを通じて、Mitakaをベースにした製品やサービスが順次市場に投入される予定だ。