3Dプリンターは、どうやって3次元形状を印刷するのか
2016年8月3日(水)David Miklas(デイビッド・ミクラス、チェコ共和国のbe3D CEO)
3Dプリンターによりビジネスが大きく変わろうとしています。その衝撃は、米Appleが2008年3月にiPhoneのプラットフォームを開発者に公開したことで携帯電話用アプリケーションの作り方が一気に変わった時と同様と見られています。本連載では、そんな3Dプリンターがビジネスに与える影響を考えていきます。今回は、3Dプリンターの印刷技術の基礎をおさらいしましょう。
米調査会社のIDCによると、3Dプリンターの販売台数は現在の2億9800万台が2019年までに9億4500万台にまで伸びます。市場のCAGR(年平均成長率)は37.1%、アジアのCAGRは58%を超えると予測されています。
3Dプリンターの特許が失効となった今、3Dプリンターを製造する企業数が増えています。3Dプリンターは一般消費者にとって魅力的な商品なだけに、多くのメーカーが消費者をターゲットに500ドル(約5万円)以下という価格帯に商品を投入しています。しかし、3Dプリンターが驚異的な勢いで採用されているのはビジネスの領域です(写真)。
拡大画像表示
iPhoneというプラットフォームの登場と同等の衝撃
ビジネス領域における3Dプリンターの衝撃は、2008年3月に米AppleがiPhoneのプラットフォームをソフトウェア開発者に公開した際に類似しています。プラットフォームの公開により開発者たちは新たなアプリケーションの可能性を見出し、また自らのコーディング技術を披露する格好の機会ととらえたのです。発表から4日間で実に10万件以上のSDK(Software Development Kit)がダウンロードされたと言います(発表資料)。
ビジネス分野での3Dプリンターが急成長している主な理由は3つ挙げられます。第1は価格です。価格帯が大幅に下がったため、多くの企業が費用対効果の高い方法で3Dプリンターによる試作が可能になりました。第2は、3Dプリンターが多数、市場に出回るようになったことで、多くのメーカーが産業向けに適切な多様な素材を開発するようになったことです。
会員登録(無料)が必要です
- 1
- 2
- 3
- 次へ >
- 3Dプリンター導入に向けた考慮点と、これから(2016/10/05)
- 3Dプリンティングがビジネスに与えるインパクト(2016/09/21)
- 米GEの実践にみる3Dプリンターの実力(2016/09/07)