IT部門は、数百から数千におよぶアプリケーションを運用している。そして、これらのアプリケーションの新規セットアップや更新の度に煩雑な作業が発生し、IT部門の負荷を増大させている。このままでは、変化への迅速な対応が要求されるビジネスへ深刻な弊害をもたらしかねない。これを根本から解決するものとして、にわかに耳にするようになったのがコンテナ技術だ。大規模にスケールさせる上での重要ポイントを、米Red Hatのマーク・コギン氏が語った。
ホストサーバー上の無数のコンテナの管理とガバナンスを確保
管理性は、エンタープライズ規模でコンテナを展開するときに必須となる要件である。数百台、数千台といったホストサーバー上に実装された無数のコンテナをどうやってコントロールし、ガバナンスを確保するのか――。この課題解決のためにレッドハットが提供しているのが「Red Hat CloudForms」である。

Red Hat CloudFormsの最大の特徴は、高度なポリシー管理にある。「開発環境からテスト環境、本番環境にいたるインフラ上で、それぞれのステージで誰にどのコンテナへのアクセス権を与えるのか、コンテナを本番環境に移動させる権限を誰に持たせるのかなど、組織と職務に応じた運用ポリシーを細かく定義することができます。また、ライフサイクル管理やバージョン管理などもポリシーに含めて定義することが可能である。これにより、特定のコンテナについて期限付きで本番環境での稼働を許可し、その後は自動的に停止させるといったガバナンスを効かせることができます」とコギン氏は説明する。
さらにRed Hat CloudFormsが真価を発揮する2つ目の領域がリソース管理である。コンテナのホストが構成するクラスタ内で、CPUやメモリー、ストレージ、ネットワークなどの利用率を可視化することができる。「余裕のあるホストにコンテナを移動させて負荷分散を図るといった判断を、運用チームは簡単に行えるようになります」とコギン氏は語る。
ここで改めてレッドハットが提供するコンテナプラットフォームの全体像を整理しておきたい。まず物理、仮想、プライベートクラウド、パブリッククラウドのすべての環境に対して一貫性を実現するプラットフォーム基盤としてRHELおよびAtomic Hostがある。その上にコンテナ基盤サービスやDevOps支援などのサービスを提供するコンテナアプリケーションプラットフォームとしてRed Hat OpenShif Container Platformおよびコンテナ管理としてRed Hat CloudFormsが位置する。そして、従来型のステートフル、マイクロサービスベースのアプリケーションJBoss Enterprise Application Platform やJBoss Middleware製品群は全てコンテナで提供をしており、近々にSoftware Defined StorageのRed Hat Gluster Storageもコンテナで提供する予定だ。
図3 Red Hatのコンテナソリューション拡大画像表示
その他レッドハットは、認定済みのDockerコンテナに対応したアプリケーションのカタログを提供する「Red Hat Container Registry」や、Container Development Kit(CDK)を含む「Red Hat OpenShift Container Local」をはじめとする開発環境、構成管理ツールも取り揃えている。
このように、エンタープライズの世界で大規模に、かつ安心してコンテナを活用していくための環境が整ってきている。一度コンテナ技術を触れてみることが重要であり、OpenShift Onlineでコンテナ技術をすぐに体験することが可能であるようだ。また、コンテナはあくまでもツールであり、目的ではない。コンテナ技術を使用して何を解決したいのか、何を改善したいとのかを明確にする必要がある。米フォレスター・コンサルティングの調査結果の「スピード」「効率」「プロセスの簡素化」を実現し、企業価値を高めるためにもコンテナを活用したDevOpsは重要なキーワードとなることは間違いない。DevOpsを実現する第一歩としてレッドハットは日本でディスカバリーワークショップを無料提供開始しているので、活用するのも1つの手だ。
●お問い合わせ先
レッドハット株式会社
https://www.redhat.com/ja/global/japan
セールスオペレーションセンター(SOC)
TEL:0120-266-086 (携帯電話からは03-5798-8510)
E mail: sales-jp@redhat.com
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