IoTの課題はサイバー攻撃の増大―NRIセキュアテクノロジーズは2017年3月28日、「企業における情報セキュリティ実態調査2017」を発表した。調査は国内外(海外は米国とシンガポール)で行われ、国内はセキュリティ人材、高度なサイバー攻撃への対策、IoT(Internet of Things)のセキュリティの3項目について行われた。ここでは国内のうち、IoTのセキュリティにフォーカスして調査結果を見てみる。
AIやVR/ARを抑えて、IoTへの関心がトップ
国内調査は2016年9月5日から10月14日にかけて、上場企業あるいは未上場で従業員数の多い3000社の情報システム・情報セキュリティ担当者を対象に行われ、671社が回答した。同調査は2002年から行っており、今回で連続15回目となる。
最初の質問は「新技術の導入・検討状況はいかがですか」というもの。対象の新技術として上げられているのがIoT、AI(人工知能)、VR/AR、FinTech/ブロックチェーン、STIX/TAXIIの5項目。それ以外は「その他」にまとめられている。
このうちSTIXは「Structures Threat Information eXpression」の略で、日本語では脅威情報構造化記述形式となる。TAXIIは「Trusted Automated eXchange of Indicator Information」の略で、日本語では検知指標情報交換手順。前者は脅威情報の記述形式の国際標準、後者はサイバー攻撃活動の情報を交換するための国際標準となっている。
調査結果に目を移すと、「導入済み・利用している」「検討中・関心がある」というポジティブな意見がともに最も多かったのが、IoTだった。導入済み・利用しているが5.5%、検討中・関心があるが46.8%で、合計で唯一50%を超えた。そのほか、導入済み・利用しているの2位がVR/AR、検討中・関心があるの2位がAIだった(図1)。
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ポジティブな回答をした351社の、IoT活用の検討分野はFA機器などの産業機器が突出して多く50.4%だった。以降は家電製品(15.7%)、インテリジェントビル(15.4%)、自動車(14.0%)、電力(10.3%)、医療機器(9.4%)、交通システム(8.5%)の順で多かった(図2)。
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●Next:351社のIoT導入・検討の進捗は?
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