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バズワードに流されないAI活用のポイントとは?

2017年4月10日(月)

多くの企業から注目を集めている人工知能(AI)だが、地に足を付けた導入を実現していくためのポイントはどこにあるのか。データ活用・分析サービスをコア事業として多くのプロジェクトを積み重ねてきたブレインパッドのキーパーソンが、「データマネジメント2017」のセッションにて、AI活用の現在と事例、そして導入プロジェクトを成功に導くための方策と組織の在り方などについて解説した。

ディープラーニングだけがAIではない

株式会社ブレインパッド 取締役 アナリティクスサービス本部長 塩澤洋一郎氏

 昨今、AIが社会的にも注目されるようになっており、一般的なビジネス誌でも数多く取り上げられるようになっている。「まさに今、ブームが到来していると言えるが、一口にAIといっても、その定義は受け止める人によって異なっているのではないか」とブレインパッド 取締役 アナリティクスサービス本部長の塩澤洋一郎氏は強調する。

 AIは大きく、人間がルールを用意する「ルールベース」系の技術と、ルールをコンピュータが自ら発見し学ぶ「機械学習」系の技術に分類される。東京大学の松尾准教授の定義を参考に分類すると、前者に属する(1)単純な制御プログラム、(2)ルールベースのAI、後者の(3)機械学習を取り入れたAI、(4)ディープラーニングを取り入れたAI、と四段階のレベルに分けることができると塩澤氏は解説した(図1)。

図1:AIのレベル

 「ディープラーニングを含む機械学習といった最先端の領域は確かにビジネス活用として面白く、注目度も高い。しかし、ルールベースのAIでもビッグデータの活用やコンピュータの処理能力の向上と低廉化の恩恵を受けており、再評価しても良い領域であると考える」(塩澤氏)。

レベル2のAI活用により、配送ルートの最適化を実現

 ここで塩澤氏は、ブレインパッドが手掛けた、ルールベース、およびディープラーニングをビジネスで活用した事例に言及した。

 はじめにレベル2にあたるルールベースのAIの事例として紹介されたのが、物流事業者におけるトラックの配車最適化の事例である。従来、配送指示に基づく最適な配車パターンの作成を人手で行っていたが、地図情報や全社のビジネスルール、積み荷に関する属性やルール、トラックの能力に関するルール、配送先におけるビジネスルールなどを人工知能に与え、積み荷の組み合わせ最適化計算を行うことで最適な配車パターンを算出できるようになった。この結果、配車コストの削減、配車表作成業務のスピードアップ、そして業務ルールの明確化・標準化などさまざまな効果を上げることができたという。

 「AIにルールを教えると同時に、『最小コストで荷物を配送する』などの目的を与えることで、ルールを守りながらその目的を達成する配車パターンを計算結果として導き出せるようになった。」(塩澤氏)。

 続いて同氏は、ディープラーニングを用いた画像解析プロジェクトの事例を紹介した。ここで取り上げられたのが、工場の生産ラインにおける良品と不良品の判別業務である。従来、人間が目視で判断していた同業務に対して、ディープラーニングを用いた画像解析により、大量の良品・不良品のサンプルデータをコンピュータに与えて機械学習させることで、コンピュータ自らが判別ルールを発見するというもの。「ルールを人間が教えなくともコンピュータが自らそれを発見、学習することがポイント。このように一度学習させたAIは、コンピュータであるがゆえに疲れることなく一定精度で持続的に業務を継続することは勿論のこと、クラウド上で共有したり、コピーしてシステムに組みこんだりすることが可能となる。人間のように個別の経験やトレーニングをする必要がないことがポイントで、これはビジネスにおける投資とスピードの考え方を一変させる可能性を秘めている」と塩澤氏は説明する。

 このように最先端の技術が、ビジネス上のベストチョイスとは限らない。逆に最先端の領域である機械学習やディープラーニングは世界の超大手ITベンダーたちが凌ぎを削って研究を続けており、今後もさまざまな技術がAPI、あるいはオープンソースとして提供されることが予想される。そのような領域に技術を開発することで勝負をするのか、むしろそのような基礎技術はオープンソースなどから利用し、自らは自社がアクセス可能なデータ資源にこそ強みを見出し、AIをトレーニングすることで勝負をするのか、技術の見極めと活用の戦略こそが重要だ。

 「従来、AIには、膨大なデータを処理するための設備や、専門的な人材が必要であり、AIを活用できる企業は限られていた。しかしその技術的なハードル、あるいはコスト的なハードルは下がってきており、AIのビジネス活用の可能性が大きく広がった。ブレインパッドは、これまでの機械学習をはじめとするデータ分析経験と活用の知見を活かし、AIのビジネス活用を支援する『機械学習・ディープラーニング活用サービス』を展開している。寄せられる相談の数や内容からも、AIのビジネス活用の裾野が広がっていることを実感している。今後、AIで持続的な競争優位を導き出すためには、データ活用のグランドデザインとデータサイエンス人材が重要だ」(塩澤氏)と持論を展開した。

AIの活用にはデータサイエンス力が不可欠

 AIのビジネス適用プロジェクトの成功要因を考えるにあたり塩澤氏は、「AIは万能の解決策ではない。またディープラーニングに限らず個々の機械学習手法にはそれぞれ得手不得手があり、組み合わせて使うアプローチが必要だ」と訴える。

図2:AI活用プロジェクト推進のポイント

 「AI活用プロジェクトを進めていくためには、初期段階でのグランドデザインの策定が重要だ。実際に、AIをビジネスに適用するためには、コンセプト検証を行って、その後、本格的に横展開をしていく、といったプランが不可欠であるほか、ビジネス、データ、技術を三位一体で推進できる体制が必要となる。技術は大切な要素だが、技術だけではプロジェクトはうまくいかない」(塩澤氏)。

 AIのビジネス活用に期待が寄せられる中、ビジネス力やIT力に加えて、AIをフルに活用するためのデータサイエンス力の強化が求められるようになるだろう。しかし、企業が一足飛びにデータサイエンス力を強化していくには多くの苦労と時間を伴う。

 塩澤氏は、「ブレインパッドは企業のデータ活用/分析のニーズに応えるため、創業以来、アナリティクスとエンジニアリングを駆使した革新的かつ実践的なソリューションを提供してきた。人工知能の活用に際しても多くの有能なデータサイエンティストとエンジニアを中核にデータ分析からシステムの構築、ビジネスの適用まで、トータルなニーズに対応可能な体制を整えている」と訴え、セッションを締め括った。


●お問い合わせ先

株式会社ブレインパッド

TEL:03-6721-7002
E-mail:info@brainpad.co.jp
URL:http://www.brainpad.co.jp

本講演の資料DLは下記URLからご確認ください。
https://form.brainpad.co.jp/webapp/form/19108_ygcb_89/index.do
※ブレインパッドの資料DLページへ移行します。

 

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