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日立がグローバル人材プラットフォームをWorkdayで構築

2017年11月29日(水)杉田 悟(IT Leaders編集部)

グローバル競争に勝ち抜くため人材管理の見直しを―日立製作所は2017年11月28日、統合人事情報管理システム「Workday」を採用し、「人財マネジメント統合プラットフォーム」を構築した。2012年に運用を開始していた自社開発のグローバル人財データベースを移管する。

 日立が発表した「人財マネジメント統合プラットフォーム」は、国内外のグループ会社の社員25万人を対象に、人材関連情報やキャリアプロセスを一元管理するためのタレントマネジメントシステム。2016年から海外関連会社でパイロット導入を開始しており、2018年には日立本社での導入を開始する。グループ会社への導入を順次進めていき、2020年頃には25万人が活用するプラットフォームとする予定だ。

図1:日立グループにおける人財マネジメント統合プラットフォームの導入スケジュール
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 クラウドサービスのWorkdayをプラットフォームとして採用しており、タレントマネジメント情報のデータベースが一元化され、従業員は権限の範囲内で、いつでもどこでもPCやスマートデバイスで人財情報を閲覧できるようになる。

 日立では2012年度から35万人の人財情報をデータベース化したグローバル人財データベースを運用してきたが、ここには人事部門しかアクセスできなかった。そのほか、500人のトップ人材を育成するためのグローバル・リーダーシップ・デベロップメントやマネージャー以上を格付するグローバル・グレード、目標管理、評価、コーチングの仕組であるグローバル・パフォーマンス・マネジメントなどの人事関連システムを、新たな人財マネジメント統合プラットフォームに集約する。

図2:日立がこれまで実施してきた人財マネジメント施策
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 Workdayのデータベースには、グローバル人財データベースより多くの人財情報が格納され、社員間の情報共有も活発化されるため、これまで以上に効率的かつ多様な人事施策が可能になる。

 例えば、各人の評価やスキルがグローバルで共有されることで、プロジェクトに必要な人員の選定がグローバルで行えるようになる。また、これまで日本の人事システムでは、上司や人事部の判断による受動的なキャリア開発が一般的だったが、新システムでは個々のキャリア希望をアピールして、能動的なキャリア開発を行うことが可能になるとしている。

写真1:日立製作所 執行役常務 CHRO兼人財統括本部長の中畑英信氏

 同社執行役常務でCHRO(最高人事責任者)兼人財統括本部長の中畑英信氏(写真1)は、「グローバルな競争に勝っていくためには、個々の社員が自らの意志でキャリア開発を行っていくようにならなければならない」としており、新システムを新たな風土作りの端緒としていきたい考えだ。

 日本の大手企業の人事制度では、様々な部署を経験させるジョブローテーションを取り入れ、オールラウンダーを育てる傾向が強くなっているが、専門職志向が強い米国の人事制度を対象に開発されたタレントマネジメントシステムとの親和性が低いといわれている。中畑氏はこのことを踏まえ、「新卒がメインである日本の人事制度に合わせて、最初の数年間はこれまで通りのローテーションを経験させる。その間に各々が自分のキャリア希望を認識し、10年選手以降は欧米型のキャリア開発を志すことができるような人事制度改革を進めていく」としている。

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