テレワークやモビリティなど、働き方改革を推進する新たな業務スタイルが普及しつつある。この新たな業務スタイルを実施するために必須なのがセキュリティ対策だ。自由度が高い分攻撃リスクも高まり、慎重な運用が求められる。コクヨは「データレスPC」の導入で、自由度が高く、かつセキュリティ強度の高いモビリティ環境を構築した。2017年11月30日、横河レンタ・リースの「Flex Work Place Passage」を採用し、500台のノートPCをデータレスPC化したと発表した。
コクヨでは、セキュリティ上の観点からノートPCの社外持ち出しを禁止、社外利用の端末としてタブレット端末を配布していた。営業が外出先でプレゼン資料や見積書を作成しなくてはならない場合には、タブレット端末では非効率のため、PC持ち出しの手続きを行う必要があった。
その結果、ノートPCとタブレット端末の併用によるコストの増大、申請・承認手続きの煩雑・非効率さなどの課題が持ち上がっていた。
クライアントPCのWindows7からWindows10へのリプレースを計画した際に、現状のクライアントデバイスの運用環境の見直しを行い、セキュリティ強化と業務効率化の双方を実現する手段として、横河レンタ・リースが提供するデータレスPCソリューション「Flex Work Place Passage」の採用を決めた。
Flex Work Place Passageは、社内のファイルサーバーと同期し、作業後にクライアントにデータを残さないデータレスPCソリューション。クライアントにデータを残さないという点ではシンクライアントおよびVDI(Virtual Desktop Infrastructure)も同様だが、サーバー上で処理を行い、画面だけをクライアントで受けるシンクライアントやVDIと異なり、処理はクライアントで行い、データのみをサーバーへ自動転送するのがデータレスPCの特徴だ。
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高いセキュリティ強度を実現しながらもハードウェア投資が抑えられ、ソフトウェアライセンスもシンクライアントより安価などコスト負担が小さい。加えて、メモリーで処理で行うためオフラインでも利用できるなど運用面でのメリットも大きい。
Flex Work Place Passageの導入により、端末の併用の削減、持ち出し申請・承認手続きの工数削減、ノートPCによる作業効率向上といった効果が見られるとしている。コクヨでは今後、在宅勤務など働き方改革に取り組んでいくための仕組として検討していく考えだ。