[市場動向]

IoTエッジ装置「AI BOX」で「Azure IoT Edge」を活用、クラウディアンが検証

2018年5月18日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

クラウディアンは2018年5月18日、Microsoft AzureのIoT向けサービスをIoTエッジデバイスで利用するための仕組みである「Azure IoT Edge」を、エッジコンピューティング用コンピュータ「CLOUDIAN AI BOX」から利用する技術検証を実施したと発表した。今回の検証により、CLOUDIAN AI BOXでAzure IoT Edgeを活用できることを確認した。

 今回の検証により、特にネットワークカメラ映像をAIで画像認識するシナリオにおいて、大量の映像・画像をネットワーク経由でクラウドに送り処理するのではなく、エッジのCLOUDIAN AI BOXにおいてAIを実行し、処理結果だけをクラウドのAzureで可視化・分析できることを確認した。

図1●CLOUDIAN AI BOXとAzure IoT Edgeの連携図(出所:クラウディアン)図1●CLOUDIAN AI BOXとAzure IoT Edgeの連携図(出所:クラウディアン)
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図2●CLOUDIAN AI BOXの外観(屋外タイプの場合)図2●CLOUDIAN AI BOXの外観(屋外タイプの場合)
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 検証に使ったCLOUDIAN AI BOXは、IoTデータを、IoTデータの生成現場に近いローカル拠点で高速に処理する“エッジコンピューティング”のためのコンピュータ装置である。ARMプロセッサとGPUを搭載した米NVIDIAのボードコンピュータ「NVIDIA Jetson TX2」をベースとしており、ディープラーニング(深層学習)を活用したAIソフトを高速に処理できる。

 一方のAzure IoT Edgeは、IoTエッジデバイス向けのコンテナ配信・実行環境である。IoTデバイス用の専用ランタイム環境や、Dockerコンテナの管理・配信環境などで構成する。Microsoft Azureのサービス群を、Dockerコンテナの形でIoTデバイスに配信し、これをIoTデバイス上で実行できる。これにより、Azure(クラウド)とIoTデバイス(エッジコンピューティング)を連携させたIoT処理を実現できる。

 検証では、CLOUDIAN AI BOXにAzure IoT EdgeモジュールをDockerコンテナで展開し、AI画像認識アプリケーションのワークフローを実行させた。エッジのCLOUDIAN AI BOXでの分析・処理結果をクラウド側Azureに送信し、Azure IoT Stream Analyticsで可視化・分析した。

 次の段階としては、エッジで収集したサンプルデータをもとに、AIの自動学習をAzure側で実施し、認識精度をさらに高めた学習モデルをCLOUDIAN AI BOXに展開する、という「AI再学習サイクル」を構築する計画である。ユーザーの需要に応じて、Azureの仮想サーバーにAmazon S3互換のオブジェクトストレージ「HYPERSTORE」を展開することや、オンプレミスのHYPERSTOREとAzureのBLOBストレージを連携する活用も考える。

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