[市場動向]
Microsoft on AWSでクラウドネイティブの実現を―Windowsに強い大手SIer2社がAWS認定パートナーに
2018年5月29日(火)五味 明子(ITジャーナリスト/IT Leaders編集委員)
アマゾン ウェブ サービス ジャパンは2018年5月28日、同社パートナー認定プログラムであるAPN(AWS Partner Network)のアップデートを発表した。新たに「Amazon EC2 for Windows Server」がプログラム対象に追加され、そのローンチパートナーに、富士ソフトと日本ビジネスシステムズ(JBS)の2社が国内で初めて認定された。AWSジャパンは新たなパートナーシップを基に、Windows ServerユーザーにAWSの採用・移行を強く促進する構えだ。
[訂正]初出で日本ビジネスシステムズ イノベーションサービス統括本部 データプラネットソリューション本部長の伊藤英啓氏の役職・氏名に誤りがございました。お詫びして訂正いたします(2018/05/31 15:30)
今回のAPNプログラムのアップデートは、Windows Serverをはじめとするマイクロソフト法人向け製品ユーザーに、AWSクラウドの採用・移行を促進する施策の一環となるものである。ポイントは、マイクロソフト製品の国内導入実績を数多く有する富士ソフトとJBSを最初のローンチパートナーに選んだ点だ。
AWSパートナー認定プログラムの概要
現在、AWSはパートナー認定プログラムとして以下の3つを用意している(参考記事:パートナーとともに“New Normal”を顧客のもとへ―― AWSが2018年のパートナー戦略を発表、新プレミアパートナーにCTCを認定)。
■サービスデリバリープログラム
「Amazon Aurora」「Amazon Redshift」などAWSの特定のサービスを活用する能力を認定
■MSP(マネージドサービスプロバイダ)プログラム
オンプレミスからの移行、顧客の環境のモニタリングや自動化などAWSクラウドの運用能力を認定
■コンピテンシープログラム
IoT、ビッグデータ、SAPなどニーズの高いソリューションを提供する能力の認定
今回アップデートされたのはサービスデリバリープログラム(写真1)で、2018年4月に対象サービスとして追加された「Amazon EC2 for Windows Server」の導入をすでに手がけた富士ソフトと日本ビジネスシステムズ(JBS)が国内で初めて認定された。
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認定パートナーとなるには、審査プロセスを経て、顧客から見た利点をパートナーが提示する必要がある。具体的な審査項目として以下が示されている。
●EC2 Windowsインスタンスを利用した事例2件の提供
●AWS上のWindowsワークロードとライセンスのベストプラクティスに関するオンライントレーニングを受講
●AWS上にあるEC2 Windowsのソリューションを公開し、AWSとの関連を顧客が確認できるWebサイトを用意
●アーキテクチャ構成を基に、顧客問題点の洗い出しと解決をどのように行ったか、Well-Architectedを含む技術内容の監査のクリア
●顧客のクラウドジャーニーへの対応能力の監査のクリア
各項目が示すように、Windows ServerとAWSクラウドの両方の知見と実績を高いレベルで有していることが求められる。認定基準の厳しさについて、AWSジャパン パートナーアライアンス本部 本部長の今野芳弘氏(写真2)は次のように説明している。
「AWSはパートナーに対し、AWSをインフラとして使う能力を非常に重要視している。顧客のクラウドネイティブな環境を実現するためには、パートナーに相応の実力がなければならず、簡単には認定されないようにしている。更新も毎年必要で、継続して審査基準をクリアする実力が求められる」。この説明からは、厳しい基準をクリアしたパートナーでなければ、顧客のクラウドジャーニーを支援することはできないというAWSのパートナー戦略の根幹がうかがえる。
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