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ニチレイロジグループ、IoTによる故障予兆保全を140拠点の冷凍設備に導入

2018年8月28日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ニチレイロジグループ本社と日立製作所は2018年8月28日、共同で、IoT技術を活用して冷凍設備の故障の予兆を診断したり運転・メンテナンスを効率化したりする実証を2018年9月に開始すると発表した。シミュレーションでは、従来に比べて冷凍設備の運用・メンテナンスに関わるコストを約25%低減できたという。2019年度から国内拠点の約140カ所、約870の冷凍設備に本システムの導入を進めていく計画である。

 ニチレイロジグループは、食品分野のコールドチェーンサービスを手がけてきた。日立グループは、冷凍設備に関するノウハウを持ち、IoT基盤サービスを提供してきた。2社は、2017年から、冷凍設備の運用・メンテナンス業務の効率化に向けて検討を進めてきた。

写真1:ニチレイロジグループ船橋物流センターの外観写真(左)と、冷凍設備(右)(出典:ニチレイロジグループ本社、日立製作所)写真1:ニチレイロジグループ船橋物流センターの外観写真(左)と、冷凍設備(右)(出典:ニチレイロジグループ本社、日立製作所)
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 今回、IoT技術を活用した冷凍設備の故障予兆診断と運転・メンテナンスの効率向上を実現するシステムを開発した。冷凍設備の各種センサーから収集・分析したビッグデータを、クラウド環境に蓄積し、この蓄積データを元に、音解析技術と予兆診断技術を組み合せ、故障の予兆を検出する。また、エネルギー消費を見える化することにより、冷凍設備の運転を効率化する。

 日常の目視点検や事後・定期メンテナンスでなく、故障予兆に基付いた適正なタイミングでの予防保全が可能となるため、メンテナンスも効率化できる。シミュレーションでは、従来に比べて冷凍設備の運用・メンテナンスに関わるコストを約25%低減できるとしている。

 2018年9月に共同検証を開始する。ニチレイロジグループ船橋物流センター内の冷凍設備6台を対象にシステムを導入し、効果を検証する。ニチレイロジグループは、本共同実証で得た成果をもとに、2019年度から国内拠点の約140カ所、約870の冷凍設備に本システムの導入を進めていく計画。日立は今後、本システムを国内の物流分野向けに展開する。

 取り組みの背景についてニチレイロジグループは、冷凍食品や生鮮食品などを低温で流通させるコールドチェーンにおいて、冷凍倉庫は重要施設の1つとなっていることを挙げている。

 「冷凍倉庫内にある保管品の品質を維持するためには冷凍設備の安定稼働が不可欠だが、現状は熟練技術者が巡回し、倉庫内環境や設備の計器などを目視で確認しているほか、設備点検やオーバーホールは、定期的に実施するのが一般的。このため、設備の運用やメンテナンスを省力化・効率化する解決策が求められている」(同社)。

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