[新製品・サービス]

Skeed、Webブラウザから通常のHTTPより高速にファイルを転送するソフト「SkeedWebGo」

2018年10月31日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

Skeedは2018年10月31日、遠距離でも大容量ファイルを高速に転送できるWeb型のファイル転送サーバーソフト「SkeedWebGo」を発表、同日提供を開始した。WebブラウザさえあればWebサーバーとの間で高速にファイルを転送できる。例として東京と米国間で512Mバイトのファイルを転送したところ、通常のHTTPが470.5秒かかったのに対してSkeedWebGoでは35.5秒で済んだ。価格はオープン。

 SkeedWebGoは、遠距離でも大容量ファイルを高速に転送できるWeb型のファイル転送サーバーソフトである(関連記事:遠距離でも高速なファイル転送技術、SkeedがUDPベースではない新方式を開発)。JavaScriptが動作するWebブラウザ(Chromeを推奨)さえあれば、遠距離でも大容量ファイルを高速に転送できるとしている。ファイル転送プロトコルのベース部分にはHTTPを使う。

図1:SkeedWebGoと通常のHTTPとの速度比較(出典:Skeed)図1:SkeedWebGoと通常のHTTPとの速度比較(出典:Skeed)
拡大画像表示

 同社による検証では、東京都内のファイル転送で、HTTPだと転送に失敗した容量28Gバイトのファイルを272.05秒(843.11Mビット/秒)で転送した。容量1Gバイトのファイルは、79.4秒(103.1Mビット/秒)から10.8秒(759.0Mビット/秒)に高速化した。東京と米国オレゴン州では、容量512Mバイトのファイルを470.5秒(8.7Mビット/秒)から35.5秒(115.4Mビット/秒)に高速化した。

 すでに事例もある。クラウド型ストレージサービス「セキュアSAMBA」を提供するスターティアレイズやテレビ局が、ファイル転送基盤としてSkeedWebGoを採用した。建設業界や科学技術計算分野などでも検討が進んでいる。

UDPに代わり、JavaScriptとWebブラウザだけで使える新方式を開発

 Skeedは従来、UDPベースのファイル転送プロトコル「SSBP」(Skeed Silver Bullet Protocol)を用いたファイル転送ソフトを提供してきた。SSBPの特徴は、送達確認(ACK)のないUDPを使うことと、パケットを送信するペースを、輻そうを起こさない程度に自動で調整することである。これにより、遅延時間が大きい遠距離でのTCP/IP通信を高速化する。

 ただし、SSBPは独自のプロトコルであるため、ファイルを送受信するためには、専用のクライアントソフトをパソコンにインストールしたり、Java Web StartのようなWebダウンロード型のJavaプログラムを動かしたりする必要があった。

 こうした背景から今回、Webブラウザの基本機能(HTTP通信機能や、JavaScript実行エンジン)だけで利用できる、新たな高速ファイル転送の仕組みを開発し、SkeedWebGoとしてリリースした。高速にファイルを転送できる詳細な仕組みは非公開だが、帯域制御によって空き帯域を有効に活用する、としている。

図2:SkeedWebGoの概要。JavaScriptが動作するWebブラウザさえあればSkeedWebGoサーバー(Webサーバーとして動作)との間で高速にファイルを転送できる(出典:Skeed)図2:SkeedWebGoの概要。JavaScriptが動作するWebブラウザさえあればSkeedWebGoサーバー(Webサーバーとして動作)との間で高速にファイルを転送できる(出典:Skeed)
拡大画像表示

 SkeedWebGoのソフトウェア環境は以下の通り。SkeedWebGoは、Javaアプリケーションであり、WebブラウザとHTTPで通信するWebサーバーとして動作する。通信相手となるSkeedWebGoのクライアント機能は、Webブラウザ上で動作するJavaScriptとして実装している。JavaScriptをWebサイトのページに埋め込んで利用する。運用にあたっては、既存のWebサイトやSkeedWebGoサーバーの前段にリバースプロキシを設置してアクセスを振り分けて使う。

関連キーワード

Skeed / ファイル共有

関連記事

トピックス

[Sponsored]

Skeed、Webブラウザから通常のHTTPより高速にファイルを転送するソフト「SkeedWebGo」Skeedは2018年10月31日、遠距離でも大容量ファイルを高速に転送できるWeb型のファイル転送サーバーソフト「SkeedWebGo」を発表、同日提供を開始した。WebブラウザさえあればWebサーバーとの間で高速にファイルを転送できる。例として東京と米国間で512Mバイトのファイルを転送したところ、通常のHTTPが470.5秒かかったのに対してSkeedWebGoでは35.5秒で済んだ。価格はオープン。

PAGE TOP