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NTT東、中小工場の生産現場を見える化するIoTパッケージ、運用サポート込みで提供

2018年11月14日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NTT東日本は2018年11月14日、中小規模の工場に向けて、生産現場を見える化するために必要なIoT製品群を一式セット化したパッケージを提供すると発表した。2018年11月21日から提供する。パッケージの提供価格(税別)は、センサー装置一式、ネットワークカメラ1台の場合、初期費用が132万円、月額利用料が2万9900円。

 NTT東日本は、人手が足りていない中小規模の工場に向けて、生産現場を見える化するために必要なIoT製品群をパッケージ化し、運用サポートをセットにして提供する(図1)。作業工程の見直しや、従業員のスキル継承など、生産性の向上や作業の省力化、人材育成などに役立つ。

図1:中小工場の生産現場を見える化するIoTパッケージの概要(出典:NTT東日本)図1:中小工場の生産現場を見える化するIoTパッケージの概要(出典:NTT東日本)
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 これまで生産現場で正確に把握できていなかった製造機械の稼働データを蓄積できるようになる。アラートの通知によって異常停止を早期に発見することや、異常停止時にネットワークカメラを連動させて現場状況や従業員の動きを映像で記録するといったことができるようになる。

 パッケージの構成要素として、IoTデバイス(センサー装置、ネットワークカメラ)、データ可視化用のIoTクラウド、IoTセキュリティ、IoTゲートウェイとなる無線LANアクセスポイント、運用サポートをセットにした。センサー装置は、パトライトの「AirGRID」を使う。

 パッケージの導入から運用、問い合わせまでを一元的に支援する。ユーザーは、センサー装置やネットワークカメラの初期設定、利用方法に関する問い合わせ、工場従事者になり代わった設定変更、トラブル時の対応をNTT東日本に任せることができる。また、クラウドからCSV(カンマ区切り形式)データを抽出して可視化し、NTT東日本からレポートを提供する。

 製品提供の背景について同社は、工場の99%以上を占める社員数300人未満の中小工場において人手不足が深刻化していることを挙げている。「生産性向上、作業の省力化、人材育成、といった課題を抱えている。課題を解決する手段としてIoT技術が注目されているが、ITスキル不足やIT専任者の確保が難しいことなどの要因から、9割以上の工場が取り組みを進められていない状況である」(同社)。

 パッケージの提供に先立ってNTT東日本は、中小工場や自治体とともにIoTを活用した実証実験を行った。この結果、生産現場にいなくても機械の異常停止に気付けてタイムリーに対処できたなど、一定の効果(年間に換算すると約120万円の利益増)が得られたとしている。

IoTセンサーで機械の稼働状況を監視、カメラも連動

 パッケージの導入によって、「機械の稼働状況可視化」と「異常時のタイムリーな対処・原因分析」を手軽に実現できるとしている。

 製造機械に付く信号灯の状態を検知するセンサー装置を使って、機械の内部に手を加えることなく、工場内の製造機械の稼働時間、異常停止時間、生産数などを自動収集する。これまで「手書き日報」などで記録していた情報を、より正確な稼働データとして蓄積できる。稼働率向上に向けた改善に役立つ。

 また、異常停止時には、アラートを通知するとともに、ネットワークカメラで録画した前後5分間の映像を確認できる。これまで生産現場で目視でしか気付けなかった製造機械の短時間の停止などに、タイムリーに対処できるようになる。現場巡回作業の低減による省力化につながる。

 さらに、連動するネットワークカメラによって、異常停止時に生産現場で何が起こっていたかの原因分析や、映像データを用いてベテラン作業員から若手作業員へのスキル継承に役立てられる。

 センサー装置やネットワークカメラで自動収集したデータは、クラウド上に保管する。収集データは、工場の外からでも確認できる。工場内の事務所などにサーバーを設置する必要はない。

 IoTゲートウェイとして無線LANアクセスポイントを導入することで、センサー装置やネットワークカメラだけでなく、スマートフォンやタブレット、デジタルサイネージなどを活用できる。

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