[市場動向]

カスタムAIをクラウドソーシングで提供、マクニカがAI事業「macnica.ai」を強化

2万人のデータサイエンティストを組織化した「CrowdANALYTIX」、個別の分析/AIニーズに低価格で応える

2019年1月29日(火)田口 潤(IT Leaders編集部)

通信機器/セキュリティ関連ベンダーのマクニカネットワークスのことは知っていても、その親会社であるマクニカのことは詳しく知らない──そんな読者も少なくないだろう。マクニカの本業は産業機器や半導体の商社であり、企業ITに携わる人々からは、やや距離のある存在ではある。そのマクニカが「伴走型のパートナーとして、デジタル変革を顧客とともに実現していく」と掲げ、AI事業の強化を発表した。レッドオーシャンの市場で同社はどんな差別化を図っているのか。

写真1:マクニカ代表取締役社長の中島潔氏

 「マクニカは産業機器、それから半導体、ネットワーク機器へと、時代とともに事業領域を変えてきた。半導体やネットワーク機器に並ぶ新しい柱として、AIのような新市場を開拓するのは当然だ。AIにはすでに大きな投資をしたし、今後も投資していく」。マクニカ代表取締役社長の中島潔氏(写真1)は、AI事業を強化する理由をこう話す。

 マクニカのAI事業は「macnica.ai」というブランドで展開中だ。今後、同事業の拡大を図り、「現在、30億円程度の売上げを5年後には10倍の300億円にしたい」(中島氏)という攻めの姿勢を見せる。

 しかし、一口にAIといってもさまざまな領域がある。マクニカが行うのは、製造業や自動車産業、流通業、ヘルスケア産業などの企業向けにAI活用をサポートするソリューション/サービスである。製造業では工作機械や生産ラインの故障予兆分析(予防保全)、流通業では扱う製品の属性情報抽出がその例だ。

 図1は後者の取り組みを示したものだ。左の洋服の画像から、属性情報を確度とともに自動出力するAIを開発するという。人力でこれを行うと商品点数が多い場合には膨大な工数がかかるうえ、精度にもばらつきが生じる。専用のAIを開発することで問題を解消するわけだ。

図1:画像認識にAIを適用する例(出典:マクニカ)
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 とはいえ、こういった領域ではスタートアップのAI専門企業から大手IT企業に至るまですでにさまざまな企業がサービスを手がけており、競争は厳しい。そこでマクニカは、図2に示したソリューションを訴求する。

 1つはDIY型AIモデル開発ツール、具体的には販売中のデータ分析/AIツール「Driverless AI」の提供である。詳細は関連記事を読んでいただきたいが、これはデータサイエンティストなど専門家がいなくても、例えば、予測分析(Predictive Analytics)を可能にするツールである(関連記事「データ専門家いらずの機械学習」は本当か?「Driverless AI」の特徴と仕組み)。

図2:マクニカが提供するAIソリューション(出典:マクニカ)
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●次ページ:クラウドソーシングによるAI開発・利用が企業にもたらすメリット

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