レノボ・ジャパンは2019年2月12日、スピーカーやマイクを搭載したハードウェア型Web会議システムの新機種「ThinkSmart Hub 700」を発表した。2019年3月から出荷する。ハードウェアに工夫を凝らし、タッチ式のスクロールホイールなどによって使い勝手を高めてWeb会議を始めやすくし、音声品質も追求したという。価格(税別)は39万9000円。
レノボ・ジャパンの「ThinkSmart Hub 700」は、スピーカーやマイクを搭載した、ハードウェア型のWeb会議システム機器である。会議室に設置することで、別途PCを用意することなく、遠隔にある拠点やパートナー、顧客との間でWeb会議を行える(写真1)。
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Web会議システムとして、販売開始時点では「Zoom」または「Skype」を利用する。音声会議だけでなく、USB経由でカメラを接続すれば、映像込みの会議システムとなる。PCやスマートデバイスを接続すれば、PowerPointなどのプレゼン資料の画面も共有できる。
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レノボ・ジャパンは新製品の特徴の1つとして、使い勝手を高めたことを挙げる。円型の形状にタッチ式のスクロールホイールを搭載し、360度どの方向からでも簡単に操作できるようにした。オンライン会議を開始するやり方も簡単で、HDMIで接続した外部ディスプレイに表示されるメニューを見てスクロールホイールで操作し、ボタンを押すだけでよい。
「これまでのWeb会議システムは、操作が分かりにくかった」と、レノボ・ジャパンの元嶋亮太氏(写真2)は指摘する。「Web会議システムを導入済みあるにも関わらず活用できていない人の割合は35.8%。Web会議の開始が日常的に5分以上遅れている人の割合は67.0%」(元嶋氏)。
会議室に持ち込んだ複数台のPC/スマホでコンテンツを共有
元嶋氏は、使い勝手のほかにも、音声がクリアではないことや、コンテンツを共有しにくいことが、従来のWeb会議システムの課題だったと指摘する(図1)。音声品質については、ステレオスピーカーを2つ(合計4つのスピーカー)を搭載し、「いかにいい音を出すか」(同氏)を追求した。
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コンテンツも柔軟に共有できるようにした。コラボレーションモードと呼ぶ使い方の下では、会議室に持ち込んだ複数台のPCやスマートフォン、さらにオンライン会議に参加している遠隔のオフィスとの間で、PowerPoint資料などのコンテンツ画面を共有できる。
会議室に持ち込んだPCやスマートフォンでコンテンツ画面を共有するためのクライアントアプリケーションも用意している。Windows PCまたはAndroidスマートフォンで動作する。特徴は、ThinkSmart Hub 700が発する超音波を使ってThinkSmart Hub 700とペアリングできること。Bluetoothの電波だと会議室の外にまで伝わってしまうので超音波を採用したという。
ThinkSmart Hub 700が想定している主な利用シーンは、ハドルルームと呼ぶ、2~6人の会議スペースである。ThinkSmart Hub 700を取り囲んで座っている2~6人が、360度どこからでも操作できる。コンテンツ共有機能を利用して、資料を持ち寄って会議室内でシェアできる。
4つのスピーカーで「いい音」を追求
ハードウェアの主な仕様として、スピーカーは4つ(ステレオスピーカー×2系統)。マイクは4つで、音声を360度拾う。赤外線を用いた人感センサーも搭載した。インタフェースは、フロント側がHDMI×2とUSB×2。リア側がHDMI×2とUSB×2。ネットワーク機能は有線(RJ45)と無線LAN。
価格(税別)は39万9000円で、各種ソフトウェアの利用権が1年分付く。ソフトウェアの利用権を払わない場合、ThinkSmart Hub 700はPCの周辺機器(スピーカーとマイク)としての使い方しかできない。2年目以降もソフトウェア群を利用するためには、利用権として月額5000円程度が必要になる。