日立産機システムは2019年3月22日、ロボットSIベンダーのケーイーシーを買収すると発表した。ケーイーシーは、自動車分野を中心に、産業用ロボットを活用した生産ラインの構築を手がけている。株式の100%を東京海上キャピタルから取得する契約を同年3月20日に締結、4月中に買収を完了する。
日立グループは、製品、OT(制御技術)、IT(情報技術)を持っている。一方、ケーイーシー(表1)は、溶接工程におけるロボットSI(システム構築)技術を持っている。日立産機システムは、ケーイーシーを買収することによって、ロボティクス関連サービスにおける競争力を高める。製造現場のデータ分析や予兆検知技術などを組み合わせた付加価値の高いサービス事業も拡大する。
ケーイーシーは、1981年の創業以来、ロボットSI事業を手がけてきた。自動車を中心に、各種の製造現場において、生産ラインを自動化してきた。生産ラインのシステム構築と設備構築に計画段階から携わり、設計・製作と据付、メンテナンスに至る一貫したサービスを提供する。特に、産業用ロボットを活用した溶接工程におけるロボットSI技術に強みを持つ。
日立グループは、産業分野において、製品、OT(制御技術)、IT(情報技術)を組み合わせたデジタル関連サービス事業をグローバルに拡大していく計画を持つ。この中で、日立産機システムは、空気圧縮機やモーターなどの産業機器事業を展開している。製品ノウハウ、IoT、制御技術などを強みとして、搬送・組み立て工程を中心としたロボティクス関連サービス事業を展開している。
名称 | 株式会社ケーイーシー |
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所在地 | 岐阜県各務原市テクノプラザ2丁目15番地 |
代表者の役職・氏名 | 代表取締役社長 市来 浩 |
事業内容 | 自動車および各種産業用の自動化設備の設計・製造 |
設立年月日 | 1981年3月 |
資本金 (2018年3月時点) |
1500万円 |
株主構成 | 東京海上キャピタル株式会社(100%) |
従業員数 (2018年10月時点) |
約80人(連結:約110人) |
連結売上高 (2017年度実績) |
約58億1300万円 |
Webサイト | http://www.kec-corp.jp/ |