SCSKは2019年5月31日、異なる複数のファイルサーバー同士の間でファイルを同期したり移行したりできるミドルウェア「PeerGFS」(開発元:米Peer Software)を発表した。同年6月1日から販売する。ベンダー製のNASストレージや任意のCIFSファイルサーバーが混在した環境で、ファイルを重複させることなく管理できる。
PeerGFSは、異なる複数のファイルサーバー同士の間でフォルダ/ファイルを同期したり、移行したりできるミドルウェアである(図1)。ストレージ同士で双方向のファイル同期、ファイルのロック(排他制御)、別のファイルサーバーへのレプリケーション、クラウド(オブジェクトストレージ)へのバックアップ、などの機能を備える。ファイルのセキュリティ設定(オーナーやアクセス制御リスト)もコピーできる。
図1:PeerGFSの概要。異なる複数のファイルサーバー同士の間でファイルを同期したり移行したりできる(出典:SCSK)拡大画像表示
個々のストレージ(ファイルサーバーやオブジェクトストレージ)ごとに、専用のモジュール「PeerGFS Agent Server」を動作させて使う。Windowsファイルサーバーの場合は、ファイルサーバー上で直接動作できる。Windows以外の環境では、個々のストレージの手前にPeerGFS Agent ServerをインストールしたWindowsサーバー機を配置して使う。
ストレージの手前に設置したPeerGFS Agent Serverは、各ストレージのAPIを介してリアルタイムにファイルの状況を調べ、必要に応じてコピーする。これらのストレージ群を、管理サーバーソフト「PeerGFS Management Server」で集中管理する。GUIコンソール「Peer Management Center」を介して、ファイル同期やクラウドバックアップなどを一元管理できる。バックアップジョブなどはPowershellスクリプトで記述できる。
管理できるストレージは、Nutanix AFS(Acropolis File Service)、NetApp(Data ONTAP 7-Modeおよびclustered Data ONTAP)、Dell EMC(VNX、Isiron、Unity)、Windowsベースのベンダー製ファイルサーバー、任意のCIFSファイルサーバー、クラウドストレージ(AWS、Azure、ONTAP Cloud)などである。
ファイル転送を高速化する工夫を持つ。まず、ファイルの修正箇所だけを複製することで、データ転送量を抑えている。ファイル転送プロトコルはTCPベースの独自プロトコルであり、遅延時間が大きいWAN環境でも高速に転送できるとしている。データ圧縮やCRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)によるエラー検出もできる。
PeerGFSの価格(税別、以下同)は、ストレージごとに必要な基本ライセンス(Basic Edition)が、ストレージ1台あたり38万円。容量ライセンス(Storage Pack)が、25TBまでの場合に1TBあたり15万円。
ファイルサーバー移行用ソフト「PeerSync」も用意
PeerGFSとは別製品として、旧ファイルサーバーから新ファイルサーバーへとファイルを移行する用途に適したミドルウェア「PeerSync」も用意している。Windows上で動作し、Windowsの「robocopy」コマンド+αの機能を提供する。ファイル属性やパーミッションなどを継承したきめ細かなコピーができる。PeerGFSと同様に、Windows環境ではないストレージについては、PeerSync ServerをインストールしたWindowsサーバー機を用意する必要がある。
PeerSyncの価格は、Migration Editionが移行元×1台、移行先×10台で月額45万円。転送容量は無制限。
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