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[インタビュー]

データ統合の今後はリアルタイム性と機械学習がポイントに

マイク・トゥーケンCEOら米Talendの経営陣に聞く

2019年6月4日(火)齋藤 公二(インサイト合同会社 代表)

2006年に業界初のオープンソースETLツールを提供したことで知られる米Talend(タレンド)。その後、ビッグデータやクラウドへの対応を進め、現在は「データを活用してビジネスを再定義するためのクラウドプラットフォーム」を標榜している。Talend CEOのマイク・トゥーケン(Mike Tuchen)氏と、APACセールスシニアバイスプレジデントのストゥ・ギャロウ(Stu Garrow)氏、日本法人カントリーマネージャーの角田賢治氏に、Talend、そしてETLのこれからについて聞いた。

ビッグデータとクラウドを戦略目標にして大きく成長

──TalendをOSSのETL(Extract Transform Load)ツールベンダーとして認識しているCIOが多いと思います。

写真1:米Talend CEOのマイク・トゥーケン氏

トゥーケン氏:出発点はそうですね。2005年にフランスで創業し、翌年に初のオープンソースソフトウェアのETLツールを世に出しました。当時のデータインテグレーション(データ統合/整合)市場は、まだまだ商用ツールの利用が一般的で、特にエンタープライズの領域ではOSSを利用するという発想はほとんどありませんでした。

 つまり、Talnedは、データ統合分野の新たなプレーヤーとして旧来の市場を変えたわけです。その後、2008年には、データクオリティ、2010年にマスターデータマネジメント(MDM)の機能を提供し、エンタープライズ環境でのデータ統合製品として存在感を高めていきました。

──Javaで構築されたTalendは、当時のSOA(サービス指向アーキテクチャ)のトレンドを受けて、ESB(Enterprise Service Bus)プラットフォームとしても注目を集めました。

トゥーケン氏:そのとおりです。2011年には、ESBの中核となるアプリケーションインテグレーションの機能を提供します。SOAP/RESTによるWeb Serviceの仕組みを使って、企業に分散して存在するさまざまなデータとアプリケーションを統合するプラットフォームとして利用されるようになります。

──その後は、ビッグデータという大きな波が訪れると。

トゥーケン:私がTalendにCEOとして入社したのは2013年で、ビッグデータはすでに世界的なトレンドになっていました。当社が成長が続けていく中で、どんなところに投資していくか。私が注目したのは2つの領域でした。1つはビッグデータで、もう1つはクラウドです。

 ビッグデータは、カラム型データベースやNoSQLなどの新しいデータベース製品、マシンラーニング(機械学習)や統計解析の新しいツールが出現し、それらを扱うデータサイエンティストが注目を集めていました。また、クラウドはご存じのSalasforce.comやAWSなどの主要クラウドサービスがエンタープライズ領域でも急速に広がっていました。それらの市場に戦略的に投資することで、市場の拡大とともに企業として成長を遂げていく。そんな狙いがありました。

──2016年7月にはNASDAQに上場しています。CEOに就任してから今年で6年ですが、実際にどう成長したのでしょうか。

トゥーケン氏:ビッグデータとクラウドはここ5年で最も成長しているIT領域です。それに歩調をあわせるようにTalendのクラウド分野も年率100%で成長しています。また、売上高は1億9800万ドルで、金額ベースでの成長率は前年比33%です。顧客はグローバルで3000社を超えました。民間の市場調査会社の評価としても、ガートナー、フォレスター・リサーチそれぞれで市場リーダーとみなされています。

 わかりやすい指標としては、競合ベンダーとの規模の比較が挙げられるかもしれません。我々と直接競合するプレーヤーとしては米インフォマティカ(Infomatica)があります。私がTalendに入社したとき、売上規模は両社の間に20倍の差がありましたが、今はそれが5倍にまで縮まりました。次の1年でこの差をさらに詰めたいと考えています。

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ETL / Talend / データ統合 / マシンラーニング / Kafka / Snowflake / MapReduce

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