Webサービス開発者向けにID管理機能をクラウド型で提供しているAuth0は2019年6月4日、都内で説明会を開き、事業状況をアップデートした。直近では、2019年3月に新たな大口ユーザーとしてNTTドコモが加わった。Auth0では、Auth0の意義として、コア機能ではない認証・認可の仕組みをサービス事業者が自ら開発する必要がなくなる点をアピールする。
NTTドコモは、ドローン基盤のユーザー認証用途でAuth0のサービスを採用した。2019年3月に開始した「docomo sky」と呼ぶサービスで、メガソーラーの点検や製造工場のメンテナンス、大規模ビルの建設管理などにドローンを利用する。また、近日中には、別の大口事例として、人材サービス企業のパーソルキャリアが求人サイトのログイン認証のためにAuth0のサービスを採用する。
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なお、Auth0は、Webサービスの運営に必要なID管理機能群を、クラウド型で提供している企業である。認証・認可の機能として考えられるフル機能を、開発者みずから開発することなく利用できるとしている(図1)。ID連携によるSSO(シングルサインオン)もできる。ID連携の仕組みとして、企業システムで使われるSAMLとWS-Federationや、一般向けで使われるOAuthとOpenID Connectなどを利用できる。
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Auth0でカントリーマネージャーを務める藤田純氏(写真1)は、Auth0のサービスの意義について、「Webサービスにとって認証・認可は当たり前の機能だが、コア機能ではない。Webサービスの開発者が本来開発すべき機能ではない。Auth0を利用すれば、これらを開発する必要がなくなる」と説明する。
Webサービスへの実装を容易にする仕掛けとして、65種類の環境向けにSDK(ソフトウェア開発キット)を提供している。さらに、カスタマイズ可能な構築済み画面のサンプルなどを用意している。
藤田氏は、日本法人のミッションとして、「B2C/B2Bアプリケーションの開発者がAuth0を選択することが当たり前になる」ことを掲げる。このための施策として、日本語コンテンツの拡充、ユーザーグループ支援、技術に長けたパートナーとの協業、の3つを挙げる。現在、日本のコミュニティの参加企業は30社ほどである。