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日立ソリューションズ、指静脈などの生体情報からPKIの秘密鍵を都度生成できる基盤ソフトを販売

2019年6月10日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立ソリューションズは2019年6月10日、指静脈認証などの生体認証情報を利用したPKI(公開鍵暗号基盤)サーバー製品「Biometric Signature Server」を発表した。生体情報から公開鍵と秘密鍵を生成する仕組み。ユーザーは、秘密鍵を管理することなく、自身の生体情報から都度秘密鍵を生成し、認証や署名に利用できる。2019年6月11日から提供する。価格は個別見積もり。

 Biometric Signature Serverは、指静脈認証などの生体認証情報を利用したPKI(公開鍵暗号基盤)サーバー製品である(図1)。一般的なPKI基盤と比べた最大の特徴は、PKIのキーペア(公開鍵と秘密鍵)を、ユーザーの指静脈などの生体情報から生成することである。ユーザーは、秘密鍵を管理することなく、いつでも自身の生体情報から都度生成できる。

図1:「Biometric Signature Server」の概要(出典:日立ソリューションズ)図1:「Biometric Signature Server」の概要(出典:日立ソリューションズ)
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 要素技術として、日立製作所が開発した独自技術で、生体情報から都度秘密鍵を生成できる技術「公開型生体認証基盤(PBI)」を利用している。PBIを成り立たせているポイントの1つは、誤り訂正符号によって生体情報の「揺らぎ」を補正することである。従来の技術では揺らぎが原因で一意な鍵を生成できなかったが、揺らぎの補正によって生体情報から鍵を抽出できるようになった。

 サービス事業者から見たPBIのメリットは、生体情報が漏洩するリスクを回幅できることや、広い用途で生体認証を利用できるようになること。エンドユーザーから見たメリットは、秘密鍵を管理するUSBメモリーなどの物理媒体が不要となることで、手ぶらで決済や電子署名などが可能になること。

 Biometric Signature Serverは、オンプレミスだけでなく、クラウド環境でも利用できる。最初の製品として、指静脈認証を利用できるようにした。日立ソリューションズでも、指静脈認証システム「静紋シリーズ」を提供している。

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