理化学研究所と富士通の共同開発によるスーパーコンピュータ「京(けい)」が、ビッグデータ処理(大規模グラフ解析)に関するスーパーコンピュータの性能ランキング「Graph500」の幅優先探索問題(BFS)カテゴリーにおいて、2018年11月に続き9期連続(通算10期)で1位を獲得した。
グラフ解析の性能を競うベンチマークが、2010年に始まったスパコンランキング「Graph500」である(関連記事:スパコン「京」がGraph500で8期連続世界第1位を獲得)。Graph500は、グラフの探索という複雑な計算を行う速度(1秒間にグラフのたどった枝の数=TEPS)を計測する。計算速度だけでなく、アルゴリズムやプログラムを含めた総合的な能力が求められる。
大規模グラフ解析の性能は、大規模かつ複雑なデータ処理が求められるビッグデータの解析において重要となる。例えば、インターネット上のソーシャルサービスなどでは、「誰が誰とつながっているか」といった関連性のある大量のデータを解析するときにグラフ解析を使う。
「京」は、Graph500のベンチマークにおいて、8万8128台のノードの内の8万2944台を用いて、約1兆個の頂点を持ち16兆個の枝から成るプロブレムスケールの大規模グラフに対する幅優先探索問題(BFS)を0.45秒で解いた。ベンチマークのスコアは、3万1302GTEPS(ギガテップス)となる(画面1)。
画面1:Graph500 幅優先探索問題(BFS)カテゴリーの2019年6月度トップ10ランキング(出典:Graph500)拡大画像表示
一方、スパコンの性能ランキングとして有名なTOP500は、規則的な行列演算である連立一次方程式を解くLINPACKベンチマークの性能を競う。「京」は2011年(6月、11月)に第1位を獲得し、2019年6月17日に公表された最新のランキングでは20位である。
理化学研究所、九州大学、東京工業大学、バルセロナ・スーパーコンピューティング・センター、富士通、フィックスターズによる国際共同研究グループは、「京」がGraph500で1位を獲得したことについて、幅広い分野のアプリケーションに対応できる「京」の汎用性の高さを示すものだとしている。科学技術計算でよく使われる規則的な行列演算だけでなく、不規則な計算が大半を占めるグラフ解析においても高い能力を持っていることを実証したとしている。
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