理化学研究所(理研)、九州大学、東京工業大学、バルセロナ・スーパーコンピューティング・センター、富士通、フィックスターズによる国際共同研究グループは2018年11月14日、ビッグデータ処理(大規模グラフ解析)に関するスーパーコンピュータの国際的な性能ランキングである「Graph500」(http://graph500.org/)において、スーパーコンピュータ「京(けい)」による解析結果で、2018年6月に続き8期連続(通算9期)で第1位を獲得したと発表した。
大規模グラフ解析の性能は、大規模かつ複雑なデータ処理が求められるビッグデータの解析において重要となるものである。理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」(写真1)は運用開始から6年以上が経過しているが、今回のランキング結果によって、現在でもビッグデータ解析に関して世界トップクラスの極めて高い能力を有することが実証されたとしている。同成果の広範な普及のため、国際共同研究グループはプログラムのオープンソース化を行い、GitHubレポジトリより公開中だ。今後は大規模高性能グラフ処理のグローバルスタンダードを確立していく計画だという。
写真1:Graph500で8期連続首位となったスーパーコンピュータ「京」(出典:理化学研究所)同研究の一部は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業CREST「ポストペタスケール高性能計算に資するシステムソフトウェア技術の創出(研究総括:佐藤三久氏)」における研究課題「ポストペタスケールシステムにおける超大規模グラフ最適化基盤(研究代表者:藤澤克樹氏、拠点代表者:鈴村豊太郎氏)」および「ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化(研究総括:喜連川優氏)」における研究課題「EBD:次世代の年ヨッタバイト処理に向けたエクストリームビッグデータの基盤技術(研究代表者:松岡聡氏)」の一環として行われた。
Graph500は、グラフ解析の性能を競うランキングだ。実社会における複雑な現象の分析では、多くの場合、分析対象は大規模なグラフ(節と枝によるデータ間の関連性を示したもの)として表現され、それに対するコンピューターによる高速な解析(グラフ解析)が必要とされている。例えば、インターネット上のソーシャルサービスなどでは、「誰が誰とつながっているか」といった関連性のある大量のデータを解析するときにグラフ解析が使われる。また、サイバーセキュリティや金融取引の安全性担保のような社会的課題に加えて、脳神経科学における神経機能の解析やタンパク質の相互作用分析などの科学分野においてもグラフ解析は用いられ、応用範囲が広がっている。
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