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「アナリストだけでなく全社員が使いやすいデータ利用基盤」─クラウドBIのLooker

2019年7月9日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

米Looker Data Sciencesの日本支社は2019年7月9日、都内で説明会を開き、クラウド型で利用できるデータ接続/BI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェア「Looker」(ルッカー)を発表した。日本には2018年9月に進出し、国内の20社が利用している。「これまではステルスモードだった。今回グランドオープンする」(バイスプレジデント&ジャパンカントリーマネージャーの小澤正治氏)としている。

 Lookerは、クラウド型で利用できるデータ接続ミドルウェア/BI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェアである(図1)。複数のデータソース(50種類のデータベースソフトに接続可能)から同時にSQLでデータを抽出し、Looker内部で組み合わせて利用する。Lookerは恒常的なデータベースエンジンを内部には持たず、外部のデータベースサーバーのデータをその都度利用する。

図1:Lookerのアーキテクチャ。50種類のデータベースサーバーに直接接続できる。複数のデータベースから抽出したデータを統合して可視化できる。他システムからLookerのAPIを介してデータにアクセスする使い方もできる(出典:米Looker Data Sciences)図1:Lookerのアーキテクチャ。50種類のデータベースサーバーに直接接続できる。複数のデータベースから抽出したデータを統合して可視化できる。他システムからLookerのAPIを介してデータにアクセスする使い方もできる(出典:米Looker Data Sciences)
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 データベースから抽出したデータは、LookerのAPIを介して、他システムに引き渡せる。すなわち、データ接続ミドルウェアの機能を提供する。一方で、データベースから抽出したデータを可視化するBI機能も自前で備える。Looker単体でBIアプリケーションとして動作するほか、他システムにBI機能を組み込む使い方もできる。

 特徴の1つは、データソース(データベースサーバー)からデータを抽出するためのSQLクエリーを自動で生成することである。LookMLと呼ぶ抽象度の高いモデリング言語を使って指標を定義するだけで、自動でLookMLからSQLを生成してデータベースにアクセスできる。

 典型的な用途に合わせてあらかじめ構築済みのLookMLをテンプレート「Looker Blocks」として提供している。専門分野別、ユースケース別、産業別に、特徴的な用途をテンプレート化した。これを使うことで、ダッシュボードをスクラッチで一から構築する必要がなくなる。

写真1:米Looker Data Sciencesで最高製品責任者(CPO)を務めるNick Caldwell(ニック・コールドウェル)氏写真1:米Looker Data Sciencesで最高製品責任者(CPO)を務めるNick Caldwell(ニック・コールドウェル)氏
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 Lookerの強みを「エンドユーザー(全社員)が使いやすい」と説明するのは、米Looker Data Sciencesで最高製品責任者(CPO)を務めるニック・コールドウェル(Nick Caldwell)氏(写真1)である。特に、必要なデータをLookerのAPI経由で入手しつつ、業務用途ごとにユーザー体験を重視した専用のアプリケーションを開発できる点をアピールした。

 Lookerの背景についてNick氏は、「アナリストだけでなく、全社員がデータを可視化して活用している。一方で、SaaSの台頭などの要因によって、可視化すべきデータソースがサービスごとにサイロ化してしまっている」と説明する。データソースからデータを抽出して統合して活用したり可視化したりする仕組みが求められている、と指摘する。

 国内ユーザーの1社が、リクルートマーケティングパートナーズである。データ分析のワークフローを構築する部品としてLookerを使っている。社内コミュニケーションツールのSlackとLookerをAPIで連携させており、Slack上でデータを分析している。導入のポイントとして、ほとんどの操作をAPI経由で実行できることや、LookMLで処理を記述できること、ナレッジの属人化を防ぐ仕掛けとして、ナレッジをGitHubで管理できること、などを挙げている。

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