伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2019年8月20日、AR(拡張現実)基盤ソフトをSaaS型クラウドサービスの形態で提供する「Atheer(アシアー)」(開発元:米Atheer)を発表した。工場における設備のメンテナンスなどに向く。価格(税別)は、1ユーザー当たり年額10万8000円。販売目標として、3年間で40社を掲げる。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の「Atheer」は、工場設備を映したカメラ映像に、メンテナンスのための映像をオーバーレイ表示する、AR(拡張現実)システム基盤である(写真1)。フィールドエンジニアは、現場で説明書などを開くことなく、AR映像を見ながらハンズフリーで作業ができる。ビデオチャット機能も備えているため、遠隔地にいる専門家から操作の指示を受けることもできる。
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ARシステム基盤のミドルウェアをSaaS型クラウドサービスの形態で提供する。別途、ARのためのデバイス(スマートグラスなどのウェアラブル端末やタブレット)と組み合わせて利用する。マニュアルや音声/動画ファイルなどのコンテンツを管理する機能や、作業に応じたワークフローの管理機能なども備える。
伊藤忠テクノソリューションズは、Atheerの提供に加えて、Atheerの導入にともなう設計やコンサルティング、各種設定、ヘルプデスクなどの関連サービスも提供する。APIを活用した既存システムとの連携や、追加機能の開発などのシステム構築も担う。
製品提供の背景について同社は、ARシステムの導入は難しいことを挙げている。「現場作業の省力化や品質向上を目的にARシステムの導入を検討する企業が増えている一方、実際にビジネス面で効果が出るARシステムを構築するためには、必要な機能の設計や専門的なソフトウェアの開発などが必要となっている」という。