みずほ銀行とNTTデータは2019年8月27日、新しい顧客接点のあり方の基礎研究として、音声入力インタフェースの共同実証実験を2019年8月から開始すると発表した。実証実験では主に、「J-Coin Pay(ジェイコインペイ)」の操作時に音声で入力する。これにより、言語認識の精度やユーザーの操作性を確認する。要素技術として、米Clincの自然言語処理技術を使う。
みずほ銀行は、金融アプリケーションを音声入力で操作する実証実験を、2019年8月から9月にかけて実施する。実験の内容として、スマートフォンを用いた送金・支払いアプリ「J-Coin Pay」に音声入力を適用する。アカウントの登録や割り勘などの機能を使う際に、関係者がデモ環境において音声操作によって情報を入力する。日本語における言語認識精度や、ユーザーの操作性について分析・検証する。
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言語認識の精度においては、米ClincのAIエンジンに対してトレーニングを施し、日本語特有の口語的表現に対する認識精度や、AIエンジンの学習コストという観点から検証する。ユーザーの操作性においては、PCやスマートフォンの操作よりもストレスなく直感的な対話が可能かどうかという観点から検証する。
音声入力インタフェースの開発においては、Clincが提供する言語認識エンジンとアプリケーション開発基盤を使って、NTTデータがClincと協力して開発する。プロトタイプの開発と、評価・チューニングを実施する。
なお、J-Coin Payは、みずほ銀行が提供する、スマートフォンを用いた送金・支払いサービスである。「送る」「送ってもらう」「支払う」といった、お金に関する資金移動の行為がスマホ上で完結する(画面1)。全国57の金融機関と接続し、預金口座との入出金(口座からアプリにお金をチャージする機能と、アプリから口座にお金を戻す機能)も手数料なしで行える。
一方で、みずほ銀行は、法人顧客向けのデジタル施策にも注力している。例えば、2019年5月には、アナリティクス中小企業法人顧客向けのオンラインレンディング(融資)サービスの提供を開始している(関連記事:メガバンクの使命で挑む、FinTech時代のカスタマーエンゲージメント─みずほ銀行)。