ミック経済研究所は2019年10月1日、ディープラーニング(深層学習)を活用した画像認識の市場規模とトレンドを分析した資料「AI(ディープラーニング)活用の画像認識ソリューション市場の現状と展望 2019年度版」を2019年9月17日に発刊したと発表した。2018~2023年度まで年平均成長率95.1%増を続け、2023年度には1500億円市場になる。
ミック経済研究所によると、ディープラーニング(深層学習)を活用した画像認識の市場規模は、2018年度が53億円、2019年度は前年比217.0%の115億円になる見込み。今後は、労働人口不足、働き方改革、インフラの老朽化など社会問題の解決策として導入が加速する。2018~2023年度まで、年平均成長率95.1%増を続け、2023年度には1500億円市場になる(図1)。
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調査では、ディープラーニングの活用が特に活性化している5つの分野である「検品・検査」、「セキュリティ」、「マーケティング」、「物品管理」、「測定・観察・探索」を中心に、主要ベンダー34社に面接取材を実施した。34社の取材数値と、その他ベンダーの推定値を積み上げて市場規模を算出し、市場の動向や今後の展望、上位ベンダーの強みを分析した。34社の市場カバー率は82.0%になる。
同社は、5分野の2018年度の市場規模と動向として以下を示している。
(1)検品・検査は、25.8億円(48.7%)。製造物の規格変更やライン変更にも対応できるような、少数の良品画像だけで学習できる機能を備えた製品・サービスが現場の支持を獲得して市場を押し上げた。
(2)セキュリティは、3.9億円(7.4%)。高齢者の転倒事故防止や不審者の早期発見など、多くの人が集まる場所での安全管理を行うため、姿勢や骨格から動きを判断する「行動分析」が躍進した。
(3)マーケティングは、7.5億円(14.2%)。小売店を中心に、客観的データの重要性が見直され、POS(販売時点情報管理)では測れない詳細な分析が可能となるAI製品・サービスの需要が拡大した。
(4)物品管理は、4.2億円(7.9%)。物流業務の自動化の中枢技術として、ディープラーニングの採用が加速した。
(5)測定・観察・探索は、11.1億円(20.9%)。社会インフラの老朽化による定期的な点検業務など、人力で行うには負担のかかる目視作業の解決策として導入が進行している。