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富士通、京後継「富岳」ベースの商用スパコン「PRIMEHPC FX1000」「同FX700」を販売

2019年11月13日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

富士通は2019年11月13日、理化学研究所と共同で開発しているスーパーコンピュータ「富岳」(「京」の後継機)の技術を活用した商用スーパーコンピュータ「PRIMEHPC FX1000」および「PRIMEHPC FX700」を発表した。同日付でグローバルで販売を開始した。2020年3月から出荷する。日本での価格(税別)は、FX1000が約1億2000万円(48ノード)から、FX700が約400万円(2ノード)から。

 富士通の「PRIMEHPC FX1000」は、スーパーコンピュータ「富岳」(「京」の後継機)の技術を活用した商用スパコンである(写真1関連記事富士通、ポスト「京」スパコンの製造を開始、技術を転用した商用機は2019年度下期に販売)。

 特徴の1つは、幅広いユーザー層を想定し、これまでのSPARCに代わってARMアーキテクチャを採用したこと(表1)。この上で、大容量データをメモリーからCPUに高速に転送できるように、1TB/秒を超える高いメモリーバンド幅を確保している。

写真1:PRIMEHPC FX1000とPRIMEHPC FX700の外観写真1:PRIMEHPC FX1000とPRIMEHPC FX700の外観

 搭載しているARMベースのCPU「A64FX」は、従来のスパコンが得意とするシミュレーションだけでなく、ビッグデータ処理やディープラーニング(深層学習)など、幅広い分野に適応する。演算性能は、倍精度(64ビット)浮動小数点演算がピーク性能で2.7TFLOPS以上、単精度(32ビット)ではこの2倍、半精度(16ビット)では4倍。16ビット整数、8ビット整数の演算性能も強化している。

 FX1000では、ノード間を接続するインターコネクトに、富岳と同じ「TofuインターコネクトD」を採用した。ラックあたり最大384ノードを実装し、理論演算性能で最大1.3EFLOPSを超える大規模システムを構築できる。冷却には水冷方式を採用し、総エネルギー消費の抑制を指向した。

 下位モデル「FX700」も用意した。FX700は、インターコネクトにInfiniBandを採用している。さらに、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)のミドルウェアにオープンソースソフトウェア(OSS)を活用するなど、スパコンシステムにおけるスタンダード技術をベースとしている。標準サーバラックに搭載できる筐体、空冷方式の採用などにより、導入のしやすさを指向している。

 最小構成時のノード数は、日本国内向けと海外向けで異なる。日本向けは、FX1000が最小構成48ノード、FX700が最小構成2ノードから販売する。海外向けは、FX1000が最小構成192ノード、FX700が最小構成128ノードから販売する。日本での価格(税別)は、FX1000が約1億2000万円(48ノード)から、FX700が約400万円(2ノード)から。

表1:PRIMEHPC FX1000/FX700の主な仕様(出典:富士通)
項目 FX1000 FX700
CPU 名称 A64FX
命令セットアーキテクチャ Arm v8.2-A SVE
演算コア数 48コア
アシスタントコア数 計算ノード: 2コア
I/O兼 計算ノード: 4コア
なし
クロック 2.2GHz 1.8GHz/2.0GHz
理論演算性能(倍精度) 3.3792TFLOPS 2.7648TFLOPS または 3.072TFLOPS
ノード アーキテクチャ 1 CPU/ノード
メモリー容量 32GB(HBM2, 4スタック)
メモリーバンド幅 1024GB/秒
インターコネクト TofuインターコネクトD InfiniBand EDR
本体装置 フォームファクタ 専用ラック 2Uラックマウントシャーシ
最大ノード数 384ノード/ラック 8ノード/シャーシ
冷却方式 水冷 空冷
ソフトウェア OS Red Hat Enterprise Linux 8
HPCミドルウェア FUJITSU Software Technical Computing Suites FUJITSU Software Compiler Package
OpenHPC(OSS)
Bright Cluster Manager
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富士通 / 富岳 / PRIMEHPC / スーパーコンピュータ / HPC

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