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三菱食品、売掛照合AIのパイロット運用を11月から開始、売買の照合全体で月に約1000時間を削減

2020年10月29日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

三菱食品は2020年10月29日、売掛照合業務を効率化するAI(以下、売掛照合AI)を富士通と共同で開発したと発表した。パイロット運用を2020年11月16日から開始する。月に1000時間以上かけていた手作業の照合時間のうち数百時間を削減できる見込み。2021年4月の本稼働を計画している。

 三菱食品は、買掛照合業務を効率化する買掛照合AI(2020年6月に稼働)に続き、売掛照合業務を効率化する売掛照合AIを開発した。売掛照合AIは、2020年11月16日からパイロット運用を開始し、2021年4月に本稼働させる。

 買掛照合AIでは、月に2000時間以上かかっていた照合手作業時間のうち数百時間の削減を達成している。今回稼働させる売掛照合AIでは、月に1000時間以上かかっていた作業のうち数百時間を削減できる見込み。売買に関わる照合業務全体で、月に約1000時間の削減を実施する。

 売掛照合業務とは、自社請求電子データと得意先支払電子データを照合する業務である。食品流通業界は、多数の取引先と膨大な数の取引データのやり取りが必要で、取引データは取引先ごとに異なる。また、伝票番号などの一意な情報で結び付けられない場合がある。このため、手作業での照合による人手不足や人的ミスが課題となっていた。

 三菱食品は、照合手作業を効率化するため、6百万件に及ぶ取引データを分析し、現場の意見を取り入れながら、検証と改善を2020年3月から繰り返した。財務経理業務職員の暗黙知を抽出し、過去の照合実績データを学習することで、照合結果を提示する売掛照合AIを開発した。

 売掛照合AI向けに作成したAIモデルは、一般的なインプットからアウトプットまでがブラックボックス化するAIモデルとは異なり、複数の小さなAIモデルとロジックを組み合わせたAIハイブリッドモデルとした(図1)。

図1:売掛照合AIハイブリッドモデルのイメージ(出典:三菱食品、富士通)図1:売掛照合AIハイブリッドモデルのイメージ(出典:三菱食品、富士通)

 どのような過程で得意先支払電子データと自社請求電子データを照合しているかといった説明性の担保や、精度が下がった場合に照合過程のどこに問題があるかといった原因調査が容易であり、保守性に優れている。

 三菱食品は現在、買掛照合業務・売掛照合業務と並行して、資金収支業務・入金チェック業務へのAI活用に取り組んでいる。今後、未収消込業務への展開も検討中である。

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