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嬉野医療センター、電子カルテのシステム基盤をNutanixのHCIで刷新、画面切り替え速度を改善

2021年1月7日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

独立行政法人国立病院機構嬉野医療センター(所在地:佐賀県嬉野市)は、電子カルテ用仮想化基盤をHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)で刷新した。HCIとして「Nutanix Enterprise Cloud OS」を採用した。システムの刷新により、電気代や空調費用を削減できたほか、電子カルテの画面切り替え時のレスポンスが向上した。HCIを販売したネットワールドが2021年1月7日に発表した。

 嬉野医療センターは、他の国立病院に先立って医療情報部門を設置し、オーダリングシステム、各種部門システム、電子カルテシステムなどを整備してきた。今回、新病院への移転を機に、電子カルテシステム用の仮想化基盤を再構築した(図1)。サーバー仮想化ソフトウェアと分散ストレージソフトウェアを統合したHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)を導入した。

図1:嬉野医療センターが刷新したサーバー仮想化基盤のシステム構成(出典:ネットワールド)図1:嬉野医療センターが刷新したサーバー仮想化基盤のシステム構成(出典:ネットワールド)
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 HCIを導入したことで、電子カルテシステムにおける画面切り替えのレスポンスが向上した。また、システム構成がシンプルになったことで、運用管理や障害対応などの手間を軽減できた。これに対して従来システムは、3層構造のシステムだったので、障害時の原因の切り分けが迅速に行えなかった。

 HCIを採用した新システムでは、設置スペースも小さくなった。従来のシステムは4ラックを占めていたが、HCIによる新システムは1ラック以下になった。これにより、電気代や空調費用も削減できた。HCIは4ノードであり、この上で26台の仮想サーバーを動作させている。

 HCIの導入に要した期間は、事前の設計作業を含めて約4カ月、実質的な構築期間は約2カ月である。この間に、実際の運用を想定した性能試験や、アプリケーションの動作検証などを実施した。これに対して、従来システムの導入時には、機器調達なども含めてほぼ1年間を要した。

 新システムのシステム構築面での工夫の1つは、サーバー仮想化ソフトウェアとして、KVMベースで無料で使える「Nutanix AHV」を採用したことである。これにより、導入費用を抑えた。一部のサーバーは、既存の仮想サーバーイメージをそのままコンバートしてAHV上に移行した。

 HCIの選択肢の中から「Nutanix Enterprise Cloud OS」を選んだ理由の1つは、ハードウェアを限定せずに、各種ベンダーのハードウェアの上で稼働できることである(関連記事NutanixがOSソフトウェア単体でライセンス販売、主要ハードでの動作を保証)。嬉野医療センターは佐賀県の中心地から離れた場所に立地しており、駆け付け対応などのサポート面で安心できるベンダーのハードウェアを選択できたとしている。

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