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三菱ケミカル、グループ500社のJP1ジョブ実行状況をBIで可視化、障害予兆検知の仕組みを構築

2021年2月4日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

三菱ケミカルシステムは、三菱ケミカルホールディングスグループ全体のジョブ運用状況を可視化するシステム基盤として、JP1のログを可視化/レポートするクラウドサービス「千里眼SaaS」(アシストが提供)を導入した。レポート作成工数をインフラ部門で8割減、アプリケーション開発部門で3分の1に減らすことができた。アシストが2021年2月4日に発表した。

 三菱ケミカルホールディングスグループは、ジョブ管理ソフトウェアとして日立製作所の「JP1」を使っている。国内外で500社以上のグループ企業、約7万人の従業員を抱えており、1日の実行ジョブ数は20万を超える。こうした中、ジョブの実行状況を可視化する手段が必要だった。

 同社は今回、ジョブの実行状況を可視化する手段として、JP1のログを可視化するクラウドサービス「千里眼SaaS」(アシストが提供)を導入した(関連記事アシスト、JP1のシステム運用ログを可視化する「千里眼SaaS」を強化、障害の予兆を予測可能に画面1)。

画面1:千里眼SaaSによるJP1のジョブ運用予実績分析サンプルレポート(出典:アシスト)画面1:千里眼SaaSによるJP1のジョブ運用予実績分析サンプルレポート(出典:アシスト)
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 千里眼SaaSは、BIソフトウェア「Qlik Sense」(米Qlik Technologies製)にJP1のデータを可視化/レポートするテンプレートを付けてクラウド型で提供するサービスである。イベント発生件数の推移や監視カテゴリ別の割合など各種の評価基準をテンプレート化している。

 JP1のコンソールだけでは、大量のイベント情報の中から重要な情報を抽出することは難しい。一方、千里眼SaaSは、分析対象のイベント数を削減し、埋もれていた情報を抽出し、分かりやすさ重視で可視化する。

 三菱ケミカルホールディングスグループは、千里眼SaaSの導入によって、JP1ログの可視化/分析レポートを作成する工数を削減した。工数は、インフラ部門で8割減、アプリケーション開発部門で3分の1になった。

 ジョブ実行の予実績データを活用してトラブルの予兆を検知する仕組みをクラウド上に構築した。これにより、ジョブ運用状況を迅速に分析できるようになった。予防保守の取り組みによって障害の発生が減り、障害時の対策を立案するスピードが向上した。

 インフラ部門とアプリケーション開発部門が、千里眼SaaSのレポート画面を見ながらジョブ運用に関する情報交換や交渉を簡単に行えるようになった(図1)。例えば、アプリケーションのジョブ実行負荷が高い場合は、インフラ部門からアプリケーションのオーナーにリソース拡張やジョブ実行数の調整などを提案できるようになった。

図1:インフラ部門とアプリ開発部門のコラボレーションイメージ(出典:アシスト)図1:インフラ部門とアプリ開発部門のコラボレーションイメージ(出典:アシスト)
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