伊藤忠商事は2021年2月10日、帳票をPDF化して取引先にWeb配信または郵送するサービス「文書データ流通サービス」を発表した。要素技術として、「SVF」「SPA」「SVF TransPrint」など、ウイングアーク1stが開発した帳票関連の製品・サービス群を組み合わせて利用している。
伊藤忠商事の「文書データ流通サービス」は、帳票をPDF化して取引先にWeb配信または郵送するシステム基盤をクラウド型で提供するサービスである。
要素技術として、ウイングアーク1stが開発した帳票関連の製品・サービス群を組み合わせて構築している。帳票設計/帳票出力/印刷運用管理/PDF帳票管理などを一通り提供する帳票基盤ソフトウェア「SVF」、OCR(光学文字認識)機能を備えた文書管理ソフトウェア「SPA」、PDF帳票をWeb配信または郵送するクラウドサービス「SVF TransPrint」などを組み合わせている。
中核を成すSVF TransPrintは、PDFファイルとして出力した帳票を、取引先企業などに配信・郵送できるクラウドサービスである(関連記事:ウイングアーク1st、PDF帳票をWeb配信・郵送するサービス「SVF TransPrint」)。
帳票のPDFファイルをSVF TransPrintにアップロードして、あらかじめ登録した取引先に対して配信する(図1)。「SVF TransPrint Web配信」(PDFファイルをWebでダウンロード配信)と、「SVF TransPrint郵送」(PDFファイルを印刷して郵送)の2種類のメニューがある。
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伊藤忠商事は、2019年にウイングアーク1stを持分法適用会社化し、新たなサービスの開発に共同で着手してきた。この流れで今回、SVF TransPrintをベースとした文書データ流通サービスを製品化した。伊藤忠商事とウイングアーク1stの2社から販売する。伊藤忠商事は、グループ内外のネットワークを生かして、SVF TransPrintの国内普及を支援するとしている。
サービスの提供に先立ち、伊藤忠商事みずからSVF TransPrintを導入した。加えて、グループ会社である食品卸大手の日本アクセスもSVF TransPrintを導入した。日本アクセスはまず、請求書などの配送業務をデジタル化する。今後は、SVF TransPrintを利用していない取引先から受領する帳票についてもデジタル化を支援し、食品卸業界全体の業務改善とデータ流通を促進する取り組みを進める。