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JAL、羽田空港の案内ロボットを強化、周囲の映像を俯瞰合成してリモート操作を容易に

2021年3月15日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日本航空(JAL)は、4つのカメラ映像を俯瞰合成するという手法によって連続的で鮮明な映像をリアルタイムに表示する遠隔監視システム「フライングビュー」の実証実験を2020年12月に開始した。羽田空港で試験運用中の遠隔操作ロボット「JET」に搭載して実験している。顧客サービス品質の向上が狙いである。実証実験の結果、空港スタッフによる遠隔操作ロボット「JET」の操作性が飛躍的に向上した。沖電気工業(OKI)が2021年3月11日に発表した。

 JALは、空港スタッフが自宅などから遠隔操作で顧客を案内できるロボットとして、遠隔操作ロボット「JET」を試験運用している。羽田空港第1ターミナルにおいて、搭乗手続きに関する案内や、顧客からの問い合わせに対応している。背景として、「感染症の拡大防止や働き方改革の対応として、ロボットの利用による非接触・非対面でのサービス提供の需要が高まっている」(同社)という。

 「ただし、遠隔操作ロボットJETの運用には課題があった。人やモノとの適切な距離を保ちながら顧客の状況に応じた的確な案内を実施することが求められるが、このためにはJETの周囲の情報を、より正確に把握する必要がある。これを支援する取り組みとして今回、遠隔操作ロボットJETを強化し、周囲の360度映像を見ながら操作できるようにした」(同社、写真1)。

写真1:JET正面のフライングビュー映像(出典:沖電気工業)写真1:JET正面のフライングビュー映像(出典:沖電気工業)
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 実証実験では、遠隔操作ロボットJETに、周囲をリアルタイムに俯瞰できる機能である「フライングビュー」を搭載した。実験を通じて、人や設置物の存在と距離を、俯瞰映像から直感的に把握できるかどうかを評価した。さらに、人の表情や手荷物の識別や、搭乗券・国際線を想定したパスポート記載内容の確認などを検証した。

 フライングビューは、4台の魚眼カメラと映像合成部、表示部で構成する技術である。FPGAを利用した画像処理によって、カメラの映像から、周囲360度の俯瞰映像をリアルタイムに合成する。遠隔で操作するスタッフは、表示された映像を自由な視点から見られるので、広域を連続的に監視できる。

 JALは検証の結果、フライングビュー映像によって空港スタッフの遠隔操作の操作性が飛躍的に向上することを確認した。

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