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人の混雑度や属性を映像解析で可視化─NECが宇都宮市と那覇市で実証実験

2021年3月22日(月)IT Leaders編集部

NECは2021年3月19日、映像解析で人の混雑度や属性を可視化する実証実験を栃木県宇都宮市と沖縄県那覇市で実施したと発表した。宇都宮市では、アーケード商店街において人の密集度合いを可視化した。那覇市では、既設のカメラ映像から歩行者の年齢や性別を推定した。いずれの実験も、2020年12月から2021年1月にかけて実施した。

 NECは、映像解析で人の混雑度や属性を可視化する実証実験を、栃木県宇都宮市と沖縄県那覇市で実施した。宇都宮市では、アーケード商店街において、人の密集度合いを可視化した。那覇市では、既設のカメラ映像から歩行者の年齢や性別を推定した。いずれの実験も2020年12月から2021年1月にかけて実施した。

宇都宮市ではカメラ映像からソーシャルディスタンス判定

 宇都宮市の実験では、中心街のアーケード商店街の4カ所に映像解析用カメラを設置し、ソーシャルディスタンシング判定技術を検証した(図1)。映像内の場所と大きさの関係を計算するという手法によって、人と人との距離を求める技術である。

図1:宇都宮市の実証実験で利用した、ソーシャルディスタンシング判定技術のイメージ(イメージ画像であり、実際の現地映像は保存しない)(出典:NEC)図1:宇都宮市の実証実験で利用した、ソーシャルディスタンシング判定技術のイメージ(イメージ画像であり、実際の現地映像は保存しない)(出典:NEC)
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 ソーシャルディスタンシング判定技術は、確保すべき距離(例えば2メートル)を円で表示し、円同士が重なる場合(人と人との距離が確保できていない状況)を赤い円、円同士が重ならない場合(人と人との距離が確保できている状況)を青い円として表示したものをデータとして取得する。このデータを利用して、人数と混雑度を時間別に統計化してグラフ化する。

 実証の結果、対象エリアにおける1日の歩行者数と混雑度の推移や平日休日の違い、街中イベント時の傾向などの分析結果を得られた。歩行者数や混雑状況をリアルタイムに把握する技術は、交通・公共施設や観光地での回遊性向上や感染防止対策、ルート案内やスタッフ配置計画への活用が期待できる。

那覇市ではカメラ映像から歩行者の年齢と性別を推定

 那覇市の実験では、那覇市国際通りの1カ所に設置した既設カメラの映像を使い、カメラ映像から歩行者の年齢と性別を推定する実験を実施した(図2)。ミドルウェアとして、カメラ映像から人物の属性を把握できる人物像分析システム「FieldAnalyst for Gate」を利用した。

図2:那覇市の実証実験で利用した、FieldAnalyst for Gateによる分析イメージ(出典:NEC)図2:那覇市の実証実験で利用した、FieldAnalyst for Gateによる分析イメージ(出典:NEC)
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 また、那覇市国際通りを対象に、無線LANパケットを収集し、無料Wi-Fiサービスにアクセスするためのスマートフォンアプリのアクセスログから、アクセスした人物の年齢と性別を推定した。

 今回の実証では、この性質の違う2種類のデータを組み合わせ、互いを補完することで、広範囲に高精度な推定が可能になる拡大推計にも取り組んだ。この結果、国際通り約1kmにおいて、年齢、性別ごとの歩行者数を、平日・休日別に推計できた。歩行者数と属性を広範囲かつ正確に低コストで推計するモニタリング技術は、地域振興やデジタルマーケティング、防災計画への活用が期待できる。

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