ネットアップは2021年3月30日、Kubernetesを用いたコンテナアプリケーション開発を効率化するデータ管理サービス「NetApp Astra」を発表した。同年4月1日から提供する。Kubernetes上で開発しているアプリケーションと関連データを丸ごとバックアップ/リストアして別の環境に移動できる。
ネットアップの「NetApp Astra」は、Kubernetesを用いたコンテナアプリケーション開発を効率化する、クラウド型のデータ管理サービスである(画面1)。Kubernetesクラスタ上で稼働しているアプリケーションと関連データ(アプリケーションが読み書きするデータや、アプリケーションの設定データ)を簡単な操作でバックアップ/リストアできる。
画面1:「NetApp Astra」の画面例。管理したいKubernetesクラスタを登録すると、Kubernetesクラスタ上で動いているアプリケーションを自動で認識する(出典:ネットアップ)拡大画像表示
主な用途の1つが、アプリケーション開発におけるCI/CD(継続的インテグレーション/デリバリ)の効率化である。単体テストとは異なるKubernetesクラスタ上に決同テスト環境を生成したり、テストが終わったアプリケーションを本番環境のKubernetesクラスタ上に移動したり、といったことが容易にできる。
アプリケーション一式をバックアップ/リストアできる
大きく、スナップショット、バックアップ、クローンの機能を提供する(図1)。スナップショットは、アプリケーションが利用しているストレージボリュームと同一ボリューム上に、アプリケーションと関連データのスナップショットイメージを作成する。同一のKubernetesクラスタ上で、バックアップ/リストアを高速に実行できる。
図1:アプリケーション一式をバックアップ/リストアできる。同一ボリューム上でのスナップショットのほか、クラウドストレージを仲介したKubernetesクラスタ間でのバックアップ/リストアなどができる(出典:ネットアップ)拡大画像表示
バックアップは、アプリケーションと関連データを、クラウド上のオブジェクトストレージにバックアップする。このバックアップ済みデータを利用して、バックアップ元とは異なるKubernetesクラスタ上にリストアする。リモートサイトにアプリケーションを転送して動作させられる。
クローンは、アプリケーションと関連データの全体を1パッケージとして、別のKubernetesクラスタに移行できる。既存の環境を複製して複数のテスト環境を構築する、といった使い方に向く。
ネットアップは簡単に使い始められることをアピールしている。ユーザーはまず、管理対象のKubernetesクラスタをNetApp Astraに登録する。NetApp Astraは、ユーザーが登録したKubernetesクラスタ上に存在するすべてのアプリケーションを自動で認識する。この上で永続ストレージを配備する。
マルチクラウド/オンプレミス間でアプリケーションを移動
管理対象のKubernetes環境として、2021年4月1日のサービス開始時点では、Google Cloud上の「Google Kubernetes Engine」(GKE)を利用できる。続いて順次、Azure上の「Azure Kubernetes Service」(AKS)やAWS上の「Amazon Elastic Kubernetes Service」(Amazon EKS)、さらにオンプレミス環境のKubernetesを管理できるようになる。
これにより、マルチクラウドおよびオンプレミスのKubernetesクラスタ間で、アプリケーション一式を簡単に移動できるようになる。オンプレミス環境からクラウドサービスへの移行や、クラウドサービスからオンプレミス環境への移行、これまで使っていたクラウドサービスから新規に契約したクラウドサービスへの移行、などが容易にできる。
なお、NetApp Astraは、Kubernetesの永続的ストレージとして、NetAppがオープンソースとして公開しているTridentを使う。Tridentでは、永続ボリュームの格納先として、NetAppのストレージ(OSはONTAP)を利用する。ONTAPを用いたクラウドストレージに「Cloud Volumes Service」(Google Cloud/AWS)および「Azure NetApp Files」(Azure)がある。
NetApp Astra / Kubernetes / NetApp / コンテナ / ONTAP
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