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共和薬品工業、基幹システムをSAP S/4HANAに刷新、受注・出荷・請求の処理時間を半減

2021年5月11日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

共和薬品工業(本社:大阪市北区)は、基幹業務システムをSAP ECC 6.0からSAP S/4HANAに刷新し、2020年11月2日に稼働させた。要件定義で優先順位を明確にし、カスタマイズや移行データを最小限に抑えたことで、9カ月間の短期間で構築した。新システムによって、受注・出荷・請求のデータ処理に要する時間を1/2に短縮できた。構築を支援した日立ソリューションズが2021年5月11日に発表した。

 共和薬品工業は、基幹業務システムをSAP ERP Central Component(SAP ECC)6.0からSAP S/4HANAに刷新した。要件定義で優先順位を明確にし、カスタマイズや移行データを最小限に抑えたことで、9カ月間の短期間で構築した。新システムはクラウド環境に構築し、2020年11月に稼働させた。

 新システムの効果として、受注・出荷・請求のデータ処理に要する時間を1/2に短縮できた。クラウド環境で運用することで、システムの運用管理コストを削減したほか、システム変更の柔軟性や拡張性も確保した。今後は、データベースに蓄積したデータの活用や、経営管理や原価分析などのシステム化に取り組む。

 新システムの効果として、受注・出荷・請求業務の処理時間が従来の半分になった。要因として、データ処理能力やレスポンス速度などの性能が3~5倍に高まり、従来の数十倍のスピードで帳票を作成できるようになった点がある。

 クラウド環境(Amazon Web Services)に基幹業務システムを構築したため、大量のデータを高速に処理・分析できるようになった。現在の2倍の受注量になってもシステムの増強が不要としている。自社専用のシステムのため、機能変更や他システムとの連携といったシステム構築面での拡張性や柔軟性も確保した。AWS上にDR(災害復旧)環境も構築した。

 なお、共和薬品工業は、2007年からインドの後発医薬品メーカーであるLupinグループの1社として事業を展開してきた。こうした経緯から、基幹システムとして、Lupinグループ共通のSAP ECC6.0を利用してきた。

 グループ共通のシステムだったことから、他国の利用者に影響がある機能変更や機能拡張への対応は難しい状況だった。また、インドで稼働しているシステムを日本からネットワーク経由で利用していたため、大量データ転送時のシステムの処理能力不足やレスポンス速度の遅さ、ネットワークの遅延も問題だった。

 こうした中、ユニゾン・キャピタルへの株式譲渡によって、2019年12月に独立企業になることが決まり、2020年12月までに新システムに移行する必要があった。こうした中、S/4HANAを導入した。

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