NECは2021年8月30日、ファクトリーコンピュータ「FC98-NXシリーズ」の省スペースモデルを刷新したと発表した。3モデルで構成し、2021年9月6日から出荷する。新モデルでは、AI/IoTの活用による製造・検査の自動化などのニーズに向けて処理能力を高めた。販売目標は、今後5年間で4万5000台。
NECのファクトリーコンピュータ「FC98-NXシリーズ」は、工場などの過酷な環境条件(温度、電源ノイズ、振動など)での24時間365日連続稼働を想定し、耐久性や可用性を高めている。システムの異常を監視して障害を未然に防ぐRAS(Reliability、Avabilaility、Serviceability)機能や、長期供給・長期保守(5年供給、7年保守)サービスを提供する。
今回、5年間の製品供給期間を終える省スペースデスクトップ型3機種の後継機を発表した(写真1)。既存機種(FC-E23W/FC-E27B/FC-E22U)の出荷が終了する2021年9月から新機種(FC-E20W/FC-E22K/FC-E29U)の出荷を開始し、5年後の2026年8月まで出荷を続ける。
なお、FC98-NXシリーズには、今回刷新の対象となった3機種のほかにも、2Uラックマウント型(2機種)、デスクトップ型(3機種)、エントリータイプデスクトップ型(3機種)、ファンレスボックス型(2機種)がある。2020年12月には、ファンレスボックス型を発表している(関連記事:NEC、工場向けコンピュータに「ファンレスボックスタイプ」を追加、防塵性や可用性を追求)。
Windows Serverプリインストールモデルを新たに用意
省スペースデスクトップ型の新モデルでは、オンプレミスサーバーとして利用できるように、Windows Server OS「Windows Server IoT 2019」のプリインストールモデルを新たに用意している(FC-E20Wのみ選択可)。
選択可能なOSは、「Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSB日本語/英語」「Windows 10 IoT Enterprise 2019 LTSB日本語/英語」「MIRACLE LINUX 8 Asianux Inside 64bit日本語」の3種類。2021年12月にはOSレスモデルの提供を予定している。
新モデルの刷新に伴い、処理能力も向上している。大容量データの高速な処理に向けて、ストレージにNVMe SSDを搭載したほか、ネットワークポートに10GbEを搭載している。また、画像処理用途に向けてGPUカードなどの拡張ボードを追加できるように、PCI Express(x16)を標準で搭載している。
新モデルの価格は、以下のとおりである。
カテゴリー | 製品名 | 価格(税別) | 搭載CPU |
---|---|---|---|
省スペース | FC-E20W | 56万3000円から | Xeon(8コア/16スレッド) |
FC-E22K | 50万5000円から | Core i3(4コア/4スレッド) | |
FC-E29U | 36万8000円から | Celeron(2コア/2スレッド) |