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踏切内に滞留する自動車や人をAI画像処理で検知─西武鉄道

2021年11月19日(金)IT Leaders編集部

西武鉄道(本社:埼玉県所沢市)は、踏切の安全対策として、踏切内に滞留する自動車や人をAI画像処理で検知する実証試験を実施する。沖電気工業(OKI)と丸紅ネットワークソリューションズが共同開発した「踏切滞留AI監視システム」を用いる。特殊信号発光機との連動で、滞留の発生時には接近する列車の運転士に異常を知らせ、踏切事故の未然防止につなげる。OKIが2021年11月18日に発表した。

 西武鉄道は、踏切の安全対策として、踏切内に滞留する自動車や人をAI画像処理で検知する試験を実施する。監視カメラを用いた「踏切滞留AI監視システム」(OKIと丸紅ネットワークソリューションズが共同開発)を用いる。特殊信号発光機と連動させることで、滞留の発生時には接近する列車の運転士へ異常を知らせ、踏切事故の未然防止につなげる(図1)。

図1:踏切滞留AI監視システムの概要(出典:沖電気工業)図1:踏切滞留AI監視システムの概要(出典:沖電気工業)
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 試験では、西武鉄道の2カ所の踏切に「踏切滞留AI監視システム」を設置し、検知結果を現場の特殊信号発光機と連動させる。踏切内に滞留する自動車などの物体を検知するだけでなく、骨格検知によって人の滞留も検知できる。AI画像処理はエッジ(端末)側で行い、複数の画像をリアルタイムに処理する。

 滞留を検知した際は、現場の特殊信号発光機と直接連携する。このため、通信網の状況の影響を受けることなく、列車の運転士に迅速に異常を知らせることができる。映像カメラとして、司令所などの遠隔地から現場の状況を確認することもできる。

 試験期間は、2021年12月14日から2022年3月31日。既設の踏切支障報知装置(非常ボタン)に加えて、踏切滞留AI監視システムを設置する。設置箇所は池袋第9号踏切(東京都豊島区)と、所沢第3号踏切(埼玉県所沢市)の2カ所である。

 「鉄道事業者は現在、高規格な踏切支障検知装置などを使って踏切道内における自動車の滞留を検知する保安装置を導入している。しかし、この装置は一般的に高価で、すべての踏切道に設置することは困難である。また、事故発生時に現場の状況を確認するため、踏切支障検知装置とは別にカメラを設置する必要もあった」(OKI)。

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