ワークスアプリケーションズ・エンタープライズは2022年4月7日、固定資産管理システム「HUE Asset」に、RFIDリーダーを用いた棚卸機能を追加したと発表した。RFIDリーダーにより、距離が離れた場所からでも一度に複数の資産をチェックできるため、棚卸の手間が減る。HUE Assetは、棚卸結果を元にした台帳登録、仕訳作成、償却計算を自動化するため、RFIDによる棚卸機能によって、業務プロセス全体をデジタル化できるようになった。
ワークスアプリケーションズ・エンタープライズ(WAPE)の「HUE Asset」は、固定資産管理システムである。固定資産管理、リース資産管理、資産除去債務管理、減損管理、建設仮勘定管理、税務申告、棚卸実査、締め・仕訳連携、などの機能群を一元的に提供する。新機能の追加や制度改正にともなう機能のバージョンアップなどは定額保守の範囲で無料で提供する。
棚卸の実査は、スマートフォンでQRコードを読み取るだけで完了する。これに加えて、今回の機能強化では、棚卸にRFIDを利用できるようにした(図1)。距離が離れた場所からでも一度に複数の資産をチェック可能であるため、「棚卸の手間が90%以上減る」(WAPE)としている。RFIDメーカー2社のリーダーが使える(2022年3月時点)。東芝テックの「UF-3000シリーズ」と、デンソーウェーブの「SP1シリーズ」である。
固定資産の棚卸の際には、各現場から収集した「既に資産が廃棄済みだった」、「別の場所に移動していた」といった情報を基に、経理部が内容を固定資産台帳に記録し、仕訳や償却計算へと反映させる作業が大量に発生する。これに対してHUE Assetは、収集した情報をもとに、固定資産台帳に対する「除却」や「移動」の情報登録、これにともなう仕訳作成と償却計算までを自動で行う機能がある。これに加えて、今回のRFIDによる棚卸機能によって、棚卸業務のプロセス全体をデジタル化できるようになったとしている。
なお、RFIDは、専用タグに記録したデータを、電波を用いて非接触で読み書きする自動認識技術である。バーコードやQRコードと比べて通信距離が長く、遠隔から複数のタグを一度にスキャンできる強みがある。工場、オフィス、店舗など各種シーンでRFIDが使われている。RFIDの普及によってタグの単価が下がったことで、これまでは投資が難しかった業務領域でもRFIDを活用する動きが広がっている。