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サービスレベル向上のために、価格.comが白羽の矢を立てたストレージとは
2022年7月5日(火)
ネット通販の利用者であれば、購買支援サイトの「価格.com」を知らない人はまずいないだろう。扱い品目の多さと値段を含めた情報の充実ぶりから、商品を安く手に入れたい消費者にとって、国内随一の情報源として広く知られる存在だ。ただし、その魅力を支える価格.comのデータベースは従来、ストレージに起因する大きな課題を抱えていたという。では、それはどんなものなのか。また、解消に向けた策とは?
価格.comの魅力を支えるDBの“弱点”
デジタルだからこそのビジネスの実現――このDXの本質をインターネット黎明期から実践してきた日本企業が、商品の“安さ”を求める消費者と、それを訴求したい小売店とのマッチングの場である購買支援サイト「価格.com」を運営するカカクコムだ。1997年に創業。扱い商品の多様化とコンテンツの充実を両輪に、以来、インターネット普及の波に乗るかたちで利用者の裾野を拡大させてきた。その月間利用者数は2021年12月時点で6,052万に達するほどである。
口コミやレビューなどで利用者同士が情報共有できることも、価格.comが愛される理由だが、やはりサービスの中核を成すのは商品情報と日々更新される価格情報だ。勝手知る商品ほど「少しでも安く購入したい」と考えるのが消費者の本音。この気持ちに応えるべく、価格.comでは小売側が提示する価格情報などを迅速にサイトに反映させる仕組みを一早く整備。利用者はより安価に商品を入手できるようになっているのである。
この価格.comの魅力を支えているのが、数十億レコードものデータを管理する商品データベース(DB)である。ただし、従来のDBはサイト運営における大きな課題を抱えていたという。それは果たして何なのか――。
冗長化はしていたもののマスターDBに障害が発生
価格.comのDBが抱えていた課題。それが、信頼性や可用性をさらに向上させる必要があったことだ。
もちろん、カカクコムでは従来からシステムの安定稼働のために各種の配慮を払ってきた。アクセス集中によるレスポンス低下などを避けるために、DBはデータ更新時に使う「書き込み用」(マスターDB)と、Webサイトへのデータ表示に使う「読み取り用」の2系統を用意し、両者を同期させる構成を採っているのもまさにそのため。各種トラブルに備え、ハードウェアの冗長化も進めてきた。
「ただ、これらの対策をもってもDBトラブルを完璧には防げませんでした」と説明するのは、カカクコムのプラットフォーム技術本部 システムプラットフォーム部で部長を務める岡野真氏だ。原因は更新用DBのストレージにあった。
「マスターDBのストレージはディスクアレイはもちろんのこと、ネットワークや電源なども二重化済みでしたが、それを1台の筐体内で実現していたこともあり、大きな障害が発生したのです」(岡野氏)
マスターDBに障害が起きると、商品登録や価格情報の更新作業などに影響が出る。そしてサービスの遅延が起きれば、利用者からの信頼も低下しかねない。その事業運営における影響も大きく、トラブルの都度、社内の各部署から多くの問い合わせが寄せられたという。
無論、カカクコムでは24時間体制でシステムのトラブル対応にあたる体制を整備していた。だが、それではダウンタイムこそ短縮できるものの、根本原因である障害の発生までは防げない。
●Next:独自クラスターによる高信頼性や処理能力を評価
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