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NTT Com、IoTデータ転送ゲートウェイを強化、デバイスごとの設定ファイルの配信管理を可能に

2022年9月6日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2022年9月5日、IoTデータ転送ゲートウェイサービス「IoT Connect Gateway」(ICGW)を機能強化した。ICGWは、IoTデバイスを携帯電話網で接続するという手法によって、IoTデバイスに暗号化通信の負荷をかけずにデータを収集可能な、データ転送ゲートウェイである。今回の機能強化では、IoTデバイスの設定ファイルをICGWから配信する機能を追加した。収集したデータをクラウドストレージに保管する機能も追加した。

 NTT Comの「IoT Connect Gateway」(ICGW)は、IoTデバイスが生成するデータをクラウドサービスで収集するための、データ転送ゲートウェイサービスである。IoTデバイスとクラウドサービスの間に入り、これらの間のデータ転送を仲介する。ゲートウェイ上では、平文のプロトコルを暗号化プロトコルに変換するほか、IoTデータを収集・格納するクラウドサービスへの接続コネクタ機能を提供する(関連記事NTT Com、IoTデバイスとクラウドをつなぐデータ転送ゲートウェイサービス)。

 特徴は、IoTデバイスとゲートウェイ(ICGW)との間を、携帯電話網で直接つなぐこと。インターネットを介在させずにデータを吸い上げることから、IoTデバイス側では暗号化プロトコル(HTTPSやMQTTS)を使う必要がなく、平文プロトコルのHTTPやMQTTでデータを転送可能。IoTデバイス側では暗号化処理が不要であることから、処理能力が低いIoTデバイスでもデータ送信端末として利用可能である。

図1:「コンフィグマネージャー機能」の概要(出典:NTTコミュニケーションズ)
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 今回の機能強化では、IoTデバイスの設定ファイル(コンフィグファイル)をICGWからIoTデバイスに配信する「コンフィグマネージャー機能」を追加した(図1)。「ICGWにHTTPでコンフィグファイルを取りにいき、更新があった場合にコンフィグを適用する処理」をユーザーがIoTデバイスに実装する必要があるが、コンフィグの更新管理をICGWによって自動化可能である。

 ICGWは、IoTデバイスのSIM情報を元に個々のIoTデバイスを特定した上で、IoTデバイスごとに異なるコンフィグファイルを配信する。複数のIoTデバイスに共通する設定をテンプレート化しておけば、複数のIoTデバイスの設定を一括で変更可能である。コンフィグファイルを自動生成する機能も備えている。ユーザーが手動で作成しなくても、テンプレートを定義した上で、SIM情報やユーザーが設定した任意のパラメータ情報を元に複数台分の設定ファイルをまとめて生成可能である。

 コンフィグマネージャー機能によって、ゼロタッチプロビジョニングも可能になる。すなわち、コンフィグファイルをIoTデバイスの出荷時には搭載せず、ICGWへの接続時にSIM情報をもとにダウンロードして適用可能である。これにより、個々のデバイスを個別に設定してから出荷する、という作業が不要になる。また、コンフィグマネージャー機能は仕組みが単純であることから、IoTデバイスに管理用のエージェントを搭載する必要がない。処理能力やメモリー容量が限られたデバイスでも使える。

 今回の機能強化ではさらに、収集したデータをAmazon S3互換ストレージなど各種のクラウドストレージに保管する機能を追加した。IoTデバイスからICGWにデータを送るだけで、あらかじめ設定しておいた条件に応じてデータの格納先を振り分けられる。SIM情報、ユーザーが設定したオプションデータ、格納先ストレージの階層情報、タイムスタンプなどの情報をもとに振り分ける。

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