[事例ニュース]
ワークマン、カインズなどのベイシアグループ、メインフレームの基幹システムをオープン環境に移行、COBOLをJavaにリライト
2022年9月8日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
ワークマンやカインズなどの小売チェーン31社で構成するベイシアグループの中核企業、ベイシア(本社:群馬県前橋市)は、富士通製メインフレームで稼働しているグループ共通の基幹システムをオープン環境に移行した。COBOLプログラムをJavaプログラムへとリライトするTISの「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」を利用した。TISが2022年9月8日に発表した。
ベイシアは、ワークマンやカインズ、東急ハンズなどの小売チェーン31社で構成するベイシアグループの中核企業である。同社は富士通製メインフレームで稼働しているグループ共通の基幹システムをオープン環境に移行した。COBOLプログラムをJavaプログラムへとリライトするTISの「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」を利用した(関連記事:TIS、メインフレームのレガシーシステムをオープン環境に移行して現代化するサービスをメニュー化)。
ベイシアグループでは、発注・在庫管理といったグループ共通システムと、ベイシア本体の基幹システムを、富士通製メインフレームで稼働していた。メインフレーム上で稼働するCOBOL資産は約6メガステップ(600万行)にのぼり、約70のシステムと連携していたという。
これらのレガシーシステムには課題があった。設計ドキュメントがない機能が多く、保守作業は、COBOL技術者の知識・知見に依存・属人化していた。システム改修時には、都度プログラムから分析を実施せざるをえない状況だったという。合わせて、COBOL技術者の高齢化やメインフレームの保守期限といった問題もあった。
2019年2月、ベイシアはメインフレーム基盤のオープン化プロジェクトを開始。メインフレーム上で稼働している基幹システムを、レガシーマイグレーションツールを用いてCOBOLプログラムからJavaプログラムへとリライトし、オープン環境へと移行した。
オープン化により、ドキュメント類の欠損・不足や、改修時の影響調査の難解さといった、レガシーシステムの課題を解消し、保守と開発の生産性が向上した。オープン系の運用・保守体制を再編成することで、作業の属人化や技術者の高齢化、メーカーのサポート切れなどの課題も解決している。