[事例ニュース]

カインズ、内製化ワークショップで需要予測アプリを開発、システム設計のクセを知り既存システムの改善も図る

グーグル・クラウド・ジャパンの「Tech Acceleration Program」を活用

2022年9月27日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ホームセンターチェーンのカインズ(本社:埼玉県本庄市)は、グーグル・クラウド・ジャパンの内製化支援ワークショップ「Tech Acceleration Program」(TAP)を活用し、需要予測アプリケーションを新たに開発した。合わせて、稼働中のECアプリケーションの課題を抽出した。2022年9月27日、グーグル・クラウド・ジャパンが開催した説明会に登壇し、内製開発の取り組みを説明した。

 ホームセンターチェーンのカインズは、3年ほど前からシステム開発の内製化に取り組んでいる。すでに多くの開発プロジェクトが立ち上がっており、いくつかの課題が出てきている。新規プロジェクトを立ち上げる際に「どこに作ればいいか分からない」「どこにデータがあるか分からない」「担当者が誰か分からない」といった課題である。機能やデータは複数のシステムに重複しており、システムコストも増え続けているという。

図1:内製化支援ワークショップを活用し、需要予測アプリケーションのプロトタイプを開発した(出典:カインズ)
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 こうした課題を解消すべく、グーグル・クラウド・ジャパンの内製化支援ワークショップ「Tech Acceleration Program」(TAP)を導入した。2021年12月には、TAPの支援の下、需要予測アプリケーションのプロトタイプを開発した。現在は、開発したプロトタイプをほぼそのまま流用し、本稼働させている(図1)。

 2022年1月には、当時すでに稼働中のECアプリケーションの開発体制などを診断し、改善に向けた課題を抽出した。ECアプリケーションは2021年度にリニューアルしているが、リニューアルリリース後に見えてきた課題を解消するためにワークショップを利用した(図2)。

図2:内製化支援ワークショップを活用し、ECアプリケーションの改善に向けた課題を抽出した(出典:カインズ)
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 ワークショップでの診断の結果、カインズによるシステム設計のクセが分かったという。また、コンウェイの法則(組織のコミュニケーション構造と同じ構造でシステムを設計してしまう法則)や組織体制(全体アーキテクト、ドメインエキスパート)などの知見を得た。現在、モノリシックな設計をマイクロサービス型へと組み替える取り組みなどを始めている。

 TAPには、大きく2つのメニューがある。1つは「ソフトウェアプロトタイピングサポート」(3~5日間)で、もう1つは「アーキテクチャ設計サポート」(1~2日間)である。なお、グーグル・クラウド・ジャパンは、2022年9月27日付でTAPの専用エリアを六本木にプレオープンしている。

 TAPにおけるソフトウェアプロトタイピングサポートの大まかな流れは、以下の通りである。

  • Day0:プランニング。アプリケーションの内容や、利用を想定する要素技術などを確認し、スコープを設定する
  • Day1:トレーニング。製品説明やハンズオンを含めたトレーニングを実施する
  • Day2:サービスデザイン&アーキテクト。ユーザーと議論しながらアーキテクチャを設計し、プロトタイピングに着手できる状態にする
  • Day3:プロトタイプの開発。グーグル・クラウド・ジャパンの支援の下でユーザーみずからコーディングしてプロトタイプを開発する
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