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児童の見守り情報を集約・共有する「CCIP」、関連機関向けに導入支援を提供─EYSC
2022年10月19日(水)IT Leaders編集部
EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)は2022年10月19日、児童見守り情報システム「こども見守りAIプラットフォーム Child Protection Intelligence Platform」(CPIP)の導入コンサルティングを、地方公共団体や公的機関向けに提供すると発表した。地方公共団体や教育機関に分散している児童の関連情報を収集・構築するデータプラットフォームである。データから虐待・不登校・いじめなどのリスクを示唆し、支援や対応が必要な場合は行政機関など関係機関にアラートや対応施策を提示する。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)は、児童の見守り情報を集約するデータプラットフォーム「こども見守りAIプラットフォーム Child Protection Intelligence Platform」(CPIP)の導入コンサルティングを、地方公共団体や公的機関向けに提供する。
CPIPは、地方公共団体や教育機関に分散している児童の関連情報を収集・構築するデータプラットフォームである。データから虐待・不登校・いじめなどのリスクを示唆し、支援や対応が必要な場合は行政機関など関係機関にアラートや対応施策を提示する(図1)。
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CPIPでは、住民情報システム、福祉情報システム、健康管理システム、校務システムなどの情報を収集し、信頼性の高いデータ基盤を構築・運用する。こうして得られたデータから、虐待・不登校・いじめといったリスクを示唆する。支援や対応が必要な場合は、行政機関などの関係機関にアラートや、推奨する対応施策を提示する。リスク分析や支援方針の提案/アラートには、ビジネスインテリジェンス(BI)やAIなどの技術を活用する。
サービス提供の背景としてEYSCは、デジタル庁やこども家庭庁が中心となり、関係機関が持つ情報を活用し、支援が必要な児童や家庭を見つけ、適切に支援を届ける「こどもに関する情報・データ連携」を推進していく方針を示していることを挙げる。
「しかし、自治体や教育・保育・福祉・医療機関がそれぞれに情報を分散して持っていることから、データを横断的に活用することは簡単ではない。CPIPは、情報を集約したデータ基盤を構築することで、情報の活用を容易にする」(同社)。
EYSCは、CPIPがすでに海外で成果を挙げていることを示した。例えば、オーストラリアのクイーンズランド州政府機関では、CPIPを利用して児童保護のための情報共有システムを構築している。既存の複数システムに保存している福祉、教育、ケース記録情報などの情報をCPIPに関連付けている。適時適切な情報提供のため、CPIP上でデータを分析し、対応の判断を支援している。
また、同国のニューサウスウェールズ州政府機関においては、CPIPの機能であるマシンラーニング(機械学習)を用いて、児童のリスクと対応優先度を割り出し、意思決定の速度と精度を向上させている。さらに、英国の政府機関では、児童や家族の情報を利用し、CPIP上で情報を分析することで、効果的かつ効率的な行政サービスの提供を実現しているという。
EYSCは、デジタル庁が推進する「こどもに関する各種データの連携による支援実証事業」の分析受託事業者として参画している。データの分析に必要なデータ項目を調査し、データの連携や分析、学習などにおける課題などを検討している。今回、海外で先行して提供しているCPIPを日本向けにカスタマイズし、国内の機関向けに導入コンサルティングや実証検証サービスを提供する。