[ユーザー事例]

会津若松市、スマートシティ基盤「都市OS」のAPIポータルを構築、サービス開発/連携を容易に

都市OSの連携スマートシティサービスは6分野/22サービスに

2023年3月17日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

会津若松市のスマートシティ基盤「都市OS」を運営する一般社団法人AiCTコンソーシアム(福島県会津若松市)は2023年3月17日、都市OSの新しい仕組みとして、データ提供者がAPIを公開してサービス開発に利用しやすくする「APIポータル」を構築したと発表した。また、新たに食・農分野や決済分野など6つの分野で16のスマートシティサービスを都市OSに接続した。これにより、都市OSに連携しているスマートシティサービスは22サービスになった。

 福島県会津若松市は「複数分野のデータ連携による共助型スマートシティ推進事業」に取り組んでいる。同事業では、スマートシティのためのデータ連携基盤「都市OS」を活用し、ヘルスケア、行政、観光、防災、決済、食・農の6分野でデジタルサービスを実装している(図1)。

図1:スマートシティのデータ連携基盤「都市OS」を活用し、分野を超えてデータを連携させる(出典:AiCTコンソーシアム)

 AiCTコンソーシアムは、同事業の下、スマートシティの実現に向けて、会津若松市の企業や団体など90以上の会員企業・団体で構成している組織である。会員企業・団体は、データ連携基盤である都市OSを軸に、スマートシティサービスを開発して運用している。

 今回、都市OSのデータ連携機能を強化した。これにより、購買履歴データ、災害時安否情報、ヘルスケアデータなど、新たに17種類のデータ資産と、市の基幹系システムなど3つの外部システムを都市OSに接続するとしている。

オプトインを強化、データ流通を促進するAPIポータルも公開

 強化点の1つとして、複数のサービス間でのデータ連携におけるセキュリティを担保しながら利便性を高めるため、オプトイン機能を強化した。さらに、安全なデータ流通の実現に向けて、(1)市民、(2)AiCTコンソーシアム(都市OSの運営主体)、(3)サービス提供者、(4)データ提供者、の4主体が、それぞれの間で適切な規約・契約などを締結できるように仕組みを整備した。

 データ提供者がAPIを公開してサービス開発に利用しやすくする仕掛けとして「APIポータル」も構築した。2023年3月20日にリリースする。サービスを提供する事業者は、データ提供者が公開するAPIを活用し、サービスを迅速に開発できるようになる。

 同年3月下旬には、市民向けの地域情報ポータル「会津若松+(プラス)」に、スマートフォンアプリ(iOS/Android)を追加する。これまではWebブラウザ経由のアクセスに限られていたが、今後はスマートフォンからも市民向けスマートシティサービスを利用可能になる。

 また、2022年度は、現在取り組んでいる6分野において、16個のスマートシティサービスを都市OSに接続した。これにより、都市OSに連携しているスマートシティサービスは、22個になった。

 現在取り組んでいる6分野の概要は、以下の通りである。

  1. 食・農分野「需給マッチングサービス」
  2. 観光分野「産業観光を起点とした観光DX」
  3. 防災分野「位置情報を活用したデジタル防災」
  4. ヘルスケア分野「医療データベース構築、遠隔医療の拡充」
  5. 行政分野「行政手続き連携による“書かない”手続きナビ」
  6. 決済分野「地域課題解決型デジタル地域通貨」

●Next:6分野それぞれの取り組み内容

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