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神戸製鋼、従業員1万人からの問い合わせ対応をチャットボットで自動化

2023年5月15日(月)IT Leaders編集部

神戸製鋼所は2023年4月、自然言語処理技術を応用したAIチャットボットの運用を開始した。約1万人の従業員が社内の問い合わせに利用する。チャットボット「HUE チャットボット」を提供するワークスアプリケーションズが2023年5月12日に発表した。

 神戸製鋼所は2023年4月、自然言語処理技術を応用したAI型チャットボットの運用を始めた。これにより、約1万人の従業員からの社内問い合わせ対応を自動化した。チャットボットには、ワークスアプリケーションズの「HUE チャットボット」を採用した。以前使っていたチャットボットをリプレースする形で導入した。

 神戸製鋼は2022年9月末にHUE チャットボットの利用準備を始め、同年11月からトライアル利用を始めている。トライアル利用開始後、約3週間で1000件以上の問い合わせをチャットボットで受けており、電話やメールを介した回答業務の工数が減った。

画面1:AIチャットボット「HUE チャットボット」のFAQ調整画面。AIが導き出した回答候補が正しくない場合に、既存の回答から正しいものをドラッグ&ドロップで指定可能である(出典:ワークスアプリケーションズ)
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 チャットボットの運用にあたっては、回答精度やユーザー満足度の向上のため、メンテナンスが欠かせない。これに対してHUE チャットボットは、ノンプログラミングで管理画面から直接メンテナンスが可能である。さらに、AIが導き出した回答候補が正しくない場合は、管理担当者が既存の回答から正しいものをドラッグ&ドロップで指定可能である(画面1)。

 2023年4月には、HUE チャットボットに新機能「ドキュメント検索機能」が加わった。社内規程や各種マニュアルなどのファイルをアップロードすると、ユーザーから問い合わせがあった場合に、AIがアップロードファイルを参照して回答する機能である。FAQを用意する作業自体がなくなる。神戸製鋼においても、同機能を活用する予定である。

 なお、HUE チャットボットは、自然言語処理技術を活用し、表記の揺れにも対処可能である。ワークス徳島人工知能NLP研究所が無料で公開しているオープンソースの日本語形態素解析器「Sudachi」を用いており、290万語(2023年1月現在)を登録している。「向日葵-ひまわり-ヒマワリ」といった文字種の違い、「受け付け-受付け-受付」といった送り仮名の違い、「シミュレーション-シュミレーション」といった間違った表記、「Suica-ICOCA-Kitaca」など具体固有名詞の差異なども、同じ意味として理解する。

 例えば、「zoomを使用したいが、どういった設定が必要か」という質問と、「ズームで会議したいので使用方法を確認したいです」という質問を、同じような内容だと判断する。1つのFAQを用意するだけで対処可能である。表記の揺れに対処可能になったことで、リプレース前は類似のFAQの登録質問数が70件程あったものを、HUE チャットボットでは2件まで集約できた例もある。

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