[事例ニュース]
コニカミノルタ、グループ全体の管理会計プロセスを刷新、分析レポート作成工数を30~40%削減
2023年5月24日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
コニカミノルタ(本社:東京都港区)は、グループ全体の管理会計データをリアルタイムに入力・収集・集計できる仕組みを整備した。これにより、管理会計業務のコストを30~40%削減した。このためのミドルウェアとして、企業が日々行っている計画(プランニング)業務を支援するクラウドサービス「Anaplan」を利用している。Anaplan Japanが2023年5月23日に発表した。
コニカミノルタは、グループ全体の管理会計データをリアルタイムに入力・収集・集計する仕組みを整備した(図1)。これにより、管理会計業務のコストを30~40%削減した。このためのミドルウェアとして、企業が日々行っている計画(プランニング)業務を支援するクラウドサービス「Anaplan」を利用している。

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同社は、積極的なM&Aによって連結子会社を増やしており、各社でERP(統合基幹業務システム)が統一されていないという事情を抱えていた。グループ全体で管理会計データを収集・集計する作業に膨大な時間と工数がかかっていた。
ERPデータを手作業でExcelにコピーして集計していたことから、入力ミスの発生リスクが高かった。データのバケツリレーによる情報の希釈などにより、詳細な分析ができない課題もあった。
これらの課題を解消するため、クラウド型計画作成ソフトウェアのAnaplanを採用した。これにより、年間で数千時間かかっていた分析レポートの作成工数を、3~4割削減した。膨大なExcelファイルの管理からも脱却した。ある事業部では、月次報告資料の2000ファイル近くを削減した。
属人化していたデータ入力・集約などの業務プロセスも、整理・標準化した。人事異動などで担当者を変更する際にも、安定的に業務が行えるようになった。
なお、Anaplanは、ビジネスの分析、計画、実行を支援する、計画作成ソフトウェアである。管理会計、営業、SCM(サプライチェーン管理)など、用途を問わずに計画を立てられる。あらかじめ、需要計画や在庫計画などの用途別のテンプレートを250種以上用意している。作成した計画を実現できるかどうかをシミュレーションによって分析する機能も備える(関連記事:「会計、営業、調達などの組織を横断して計画を立てられる」、計画業務クラウドのAnaplan)。
Anaplanの採用にあたっては、導入後に外部ベンダーに頼ることなく自社で運用ができる点を評価した。また、ポータルサイトに広くデータを公開する仕組みを構築するうえで、各種BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとの連携が容易な点が役立ったとしている。